東京国立博物館のシリーズに戻ります。
北斎の浮世絵「詩歌写真鏡 在原業平」
古今の詩歌からの絵解きが必要な、江戸の文化人向けの絵です。
とりわけ、この在原業平は、難しく、たどり着いたのが次の解説。
(三井記念美術館で開催中の「北斎展」(ホノルル美術館所蔵)の図録より)
「伊勢物語」は主人公が在原業平とされるが、その45段に「秋風吹くと雁に告げこせ」という歌がある。 「雁の使い」とは手紙の意であるが、・・・略・・・能の「砧」では、辺境の地に囚われの身になっている蘇武の夜寒を按じて、故国の妻子が高楼に登って砧を打ったという挿話が語られる。 本図はこの能を絵画化したもので、雁-蘇武-砧という複雑な連想がはたらいている。」
この絵は、分かりやすいし、面白い。 ゴーギャンのタヒチの絵と頭のなかで比べたりします。
前の絵もそうですが、当時高価だったベロ藍(プルシャンブルー)が効果的。
大阪の絵師 岳亭春信の作品もレベルが高い。
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