トーハクの浮世絵コーナは、葛飾北斎の特集でした。
下の図、右側の作品は《中村里好のふく清女ぼう》。 北斎が二十歳の時の作品で、左の正宗娘おれんと同時期ですが、ふく清女ぼうのほうが洗練度が増しています。
構図や力感、当時でもトップクラスでは。
伊達与作は近松の浄瑠璃や歌舞伎に出てくる主人公。 女房はいたが廓の恋人こまんとデートしている光景。
表情の描き方に北斎らしい味がある。
構図や線が流麗。
《弁財天詣》 横長判 摺物 江戸時代19世紀初
キャプションをみてなるほど。 司馬江漢の洋風版画などにも興味を引かれていたんだ。
描かれている舟は、千葉の木更津あたりから築地魚河岸に魚を運ぶ高速運搬船。
構図が自在ですね。
《富嶽三十六景・東都浅草本願寺》 横大判 錦絵 江戸時代・19世紀
世界に最も知られた日本人画家の作品。 北斎にしてみれば力みなく、すーっと描いた作品でしょう。
今回の展示では、全体的に絵の保存状態が良く、この作品も楽しめました。
ただ、1月2日の混みようは凄く、まともに撮れたのはこの《凱風快晴》ぐらいです。 大半は、1月10日に再訪して撮ったものです。
昔は氷結した諏訪湖を渡っていたんだ。
雉は蛇に体に巻き付かせて、最後に羽根を広げ、蛇を切り裂くとか。 動物の描写もいいし、草花の描写も面白い。
ぶれた写真ですみません。 瀧のデフォルメされたデザインなど凄いとしか言いようがない。
《諸国瀧廻り・木曽路ノ奥阿彌陀ヶ瀧》
74歳頃の作品。 大胆な構図と簡明な表現が素晴らしい。
若い時の作品に比べ、美人もぽっちゃり形になっています。
壮年期の作品。 画狂老人と自称したように、絵を描くこと以外、興味がなかった
北斎、ゴミ屋敷のような生活、生涯93回の引っ越し、姿はこんな羅漢のようなむさくるしい
ものだったのかな・・・
最晩年の作品。 格調が高いのに、赤い色が情熱のエネルギーを感じさせ、一段と画境が高みに上がったようです。
90歳まで生きたのですが、あと10年生きられれば、さらに神妙な絵がかけるのにと願った北斎の気魄に、ただただ恐れ入るばかりです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます