今回のトーハク東洋館の展示品のなかでブルッときたものに、中国の石刻画芸術があります。
まず、その作品を 「画像石 西王母/馬車/狩猟」
(この写真は1月14日に追加)
右側上部の拡大です。 人間の顔に見えるのは西王母とその横の従者だけで、それ以外は獣(犬に見えます)や鳥の顔で描かれた人体、兎の耳の先の鳥頭?の奇怪な画に驚きつつも、アートとしての素晴らしさに脱帽。
西王母の顔を見ていると谷中安規の版画「自画像」を思い出しました。
狩猟の場面を再度
獣頭の人体が猟犬で狩りをしていて、不思議な感覚になります。 手にしているテニスラケットのようなもの・・・鳥を捕る道具でしょうか。
馬や犬など動物の描き方も躍動感があって素晴らしい。
この石刻画(画像石)芸術について、 トーハク公式サイトから説明を引用します。
「後漢時代(1~2世紀)の中国山東省や河南省南部等では、墓の上に祠(ほこら)を地下には棺などを置く部屋である墓室を石で作っていました。これら祠や墓室の壁
柱、梁などの表面には、先祖を祭るために当時の世界観、故事、生活の様子などを彫刻して飾りました。画像石と呼ばれるこれらの石刻画芸術は中国の様々な地域で
流行しました。とくに画題が豊富で優品の多い山東省の作品を一同に集めて展示。」
次です。 中国山東省 孝堂山下石祠 後漢時代・1~2世紀
Cの部分 建物/丁蘭と木偶ほか 丁蘭というのは中国の「二十四孝」にでてくる親孝行で有名な人物名。 儒教の影響がでています。
部分拡大です。 簡潔な線刻で見事に表現しています。
右側のAです。 「蟇蛙/禹他」
部分拡大。 表情や姿態に味があります。
後漢時代に流行った画像石、その内容から読売新聞に連載された宮城谷昌光の「草原の風」の挿絵を思い出しました。 後漢王朝を樹立した光武帝の小説で、挿絵は原田維夫(つなお)氏です。
連載を読んでいたときは、挿絵の素晴らしさに驚くばかりでしたが、源流となる画像石を見て、納得した次第。 下に挿絵を引用しました。(本よみうり堂のサイトから)
次の作品も凄い。 「舞人と楽人」
舞人の部分。 躍動感のある表現、 線だけの顔の表情なのに豊かなニュアンスを感じる・・・素晴らしい。
次は「羊頭」。 吉祥の因縁があるのですね。
最後は「厨房と酒宴他」 画像はフィルタ処理をかけています。
右側の1.2.3.4.5にあたる部分です。
左側の部分です。 左上には、犬の解体が描かれている。 当時は犬を飼いもするが、食用にもしていたようだ。 日本の縄文時代もそうだった。
中国の石刻画芸術のコーナは、東洋館4階の第7室になります。 4月7日までの展示です。
以下、1月14日に追加したものです。 4Fの展示風景(1月13日撮影)
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