光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

国立東京博物館(2013.1.2) 中国の石刻画芸術

2013年01月12日 | アート 彫刻

今回のトーハク東洋館の展示品のなかでブルッときたものに、中国の石刻画芸術があります。 

まず、その作品を   「画像石  西王母/馬車/狩猟」

 

(この写真は1月14日に追加)

右側上部の拡大です。   人間の顔に見えるのは西王母とその横の従者だけで、それ以外は獣(犬に見えます)や鳥の顔で描かれた人体、兎の耳の先の鳥頭?の奇怪な画に驚きつつも、アートとしての素晴らしさに脱帽。  

 

 西王母の顔を見ていると谷中安規の版画「自画像」を思い出しました。

 

狩猟の場面を再度

 

 獣頭の人体が猟犬で狩りをしていて、不思議な感覚になります。  手にしているテニスラケットのようなもの・・・鳥を捕る道具でしょうか。

馬や犬など動物の描き方も躍動感があって素晴らしい。

 

この石刻画(画像石)芸術について、 トーハク公式サイトから説明を引用します。

「後漢時代(1~2世紀)の中国山東省や河南省南部等では、墓の上に祠(ほこら)を地下には棺などを置く部屋である墓室を石で作っていました。これら祠や墓室の壁

柱、梁などの表面には、先祖を祭るために当時の世界観、故事、生活の様子などを彫刻して飾りました。画像石と呼ばれるこれらの石刻画芸術は中国の様々な地域で

流行しました。とくに画題が豊富で優品の多い山東省の作品を一同に集めて展示。」

 

 次です。 中国山東省 孝堂山下石祠  後漢時代・1~2世紀

 

 

Cの部分  建物/丁蘭と木偶ほか    丁蘭というのは中国の「二十四孝」にでてくる親孝行で有名な人物名。  儒教の影響がでています。

 

部分拡大です。 簡潔な線刻で見事に表現しています。

 

右側のAです。  「蟇蛙/禹他」

 

 

部分拡大。   表情や姿態に味があります。

 

後漢時代に流行った画像石、その内容から読売新聞に連載された宮城谷昌光の「草原の風」の挿絵を思い出しました。 後漢王朝を樹立した光武帝の小説で、挿絵は原田維夫(つなお)氏です。

連載を読んでいたときは、挿絵の素晴らしさに驚くばかりでしたが、源流となる画像石を見て、納得した次第。   下に挿絵を引用しました。(本よみうり堂のサイトから)

  

 

次の作品も凄い。   「舞人と楽人」 

 

舞人の部分。   躍動感のある表現、 線だけの顔の表情なのに豊かなニュアンスを感じる・・・素晴らしい。

 

次は「羊頭」。  吉祥の因縁があるのですね。

 

 

最後は「厨房と酒宴他」     画像はフィルタ処理をかけています。

 

右側の1.2.3.4.5にあたる部分です。

 

左側の部分です。  左上には、犬の解体が描かれている。  当時は犬を飼いもするが、食用にもしていたようだ。  日本の縄文時代もそうだった。

 

中国の石刻画芸術のコーナは、東洋館4階の第7室になります。  4月7日までの展示です。

以下、1月14日に追加したものです。   4Fの展示風景(1月13日撮影)


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