「バカ、やめろ…」
浴室に引きずり込まれ、氷河は焦った。
「だれがやめるか、その生意気な根性を洗い流してやる」
一輝は氷河を押さえ付けたまま、シャワーのコックを捻った。
「いいのか、こんなことをしていて? 瞬がくるぞッ」
氷河は熱い湯から逃れるようにして叫んだ。
「バカが、遊び呆けていて忘れたか、瞬は海外出張中だ」
一輝の言葉に氷河の動きが凍り付いた。
それで、このバカの強気な理由が解った。
「まずはこのタバコと酒の臭いからだ」
一輝は氷河の頭からシャワーを浴びせかけた。
「熱いッ、オレは喫ってないし、飲んでない」
シャワーの熱さに肚を立てながら、氷河は喚いた。
「当たり前だ、このバカがッ」
一輝が氷河をバス・タブに放り込んだ。
「やめろ、なにをッ!」
氷河は叫び、バス・タブの縁に掴まった。
「お前の戯(たわ)けた根性を、身体ごと洗い流してやろうというのだ、この一輝様がな」
一輝は手にした容器の液体を、氷河の頭に降り注いだ。
「やめろ、バカッ! それはボディ・ソープだろうがッ」
氷河は湯に潜り、髪に付いたボディ・ソープを落としにかかった。
「何でも変わらん」
一輝は氷河の髪を洗い始めた。
「バカッ、よせッ! 髪が痛むだろうがッ」
氷河は暴挙から逃れようと身を捻った。
「髪も身体も変わらん、第一、髪が痛むなどというガラか」
聖闘士だった当時、氷河は身なりなど気にかけたことがなかった。それでいて、そこにいるだけで威厳と高貴さを兼ねそろえていた。
闘いの中、血と土煙に塗れていても白鳥星座の聖闘士は美しかった。
「うるさいッ!」
氷河は一輝の腕を振り払った。途端、泡が目に入り、湯で目を洗い流した。
なぜ、髪を洗うのにあの量のソープをまぶすのか、氷河には理解できない。
いや元々、一輝は氷河の理解の範疇を超えた存在であった。
「何度も言うが、それが年上の…いや、オレに対する態度か」
一輝は泡で覆われた氷河の顔にシャワーをかけた。
「うるさい、キサマなんぞに礼などとれ――」
そこで、氷河は言葉を切った。
氷河の抵抗で泡だらけになった服を、一輝が無造作に脱ぎ始めている。
「続く」
ご無沙汰しています。
なんか、猫が本棚の上から落ちてこないと更新しないみたいになっているので更新してみました。
でも、日記で更新と言うのかどうか…。
そういえば事件が…。
実はプリンターの黒が昨年から出ません。
年賀状を受け取った方は何でこんな色で住所を、と思われた方もいるかも知れません…。
で、こうなると新刊…。
オリジナルですがせっかく下書きが終わったのに、今回は誰も殺さなかったのに…(呪いか)
以前に同じ状態で修理に出したことがあったので、保障は聞かないし(もう切れていますが)買ったほうが安いといわれそう…。
最悪ワープロでやったりして…。