JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

24 (29) ~眠る鳥より~

2008-07-21 21:00:48 | プチ・原稿
 明るい陽光のもとで氷河は覚醒し、溜息を吐いた。
 目の前に、眠り呆けた淫獣の顔がある。
 氷河は明るい陽射しに照らされる一輝の、空腹を満たしたライオンのような顔を見つめていた。
 無防備な一輝の寝顔を、氷河は初めて見るような気がする。
 昼は体内に宿したものから醸し出される気迫でそうは感じないが、やはり一輝は老けた。
 よく見れば頬や眉間には深い皺が刻まれ、眠っているせいか、躯には張りがない。
 少年期から、無理に無理を重ねてきた躯であった。
 こうして見ると、一輝の体躯には額の傷をはじめ、様々な傷痕ががある。
 その傷がどこで、どのような闘いで受けたものなのか、氷河は知っている。
 かつてはその闘いの中に身を置いていた氷河であった。
 だが、今の氷河の身体には傷一つない。
 傷も思い出も病魔に蝕まれ、燃え尽きてしまった。
 今の氷河は、白鳥星座の聖闘士の培養品に過ぎない。
 不意に鋭利な刃物で突き刺されたような痛みが胸に走り、氷河は身じろいだ。
「氷河…」
 一輝は腕を伸ばし、氷河の柔らかな髪に指を絡めた。
「よく眠っていたな」
 一輝の掌が、氷河の頬を辿ってゆく。
「お前もな…以前はオレに寝顔など見せたこともなかったのに、お前も年を――」
 そこまで口にし、不穏な空気に氷河は言葉を途切れさせた。
「お前は、学習せんヤツだな」
 一輝に腕を摑まれ、氷河は身を強張らせた。
 だが、氷河はすぐ平静を取り戻した。
 昨夜、一晩――一輝は氷河の身体を捻じ伏せている。
 昨夜のようなことはないはずであった。
「なんだ、本当のことだろう」
――ろう、といったときには、氷河はベッドに押し倒されていた。
「なにを…」
 覆い被さってくる一輝に氷河は瞼を見開いた。
――まさか…!
 と思った時には、氷河は圧し掛かってくる一輝に両手腕を押さえ込まれ、口付けられていた。
 
「続く」

24 (28) ~眠る鳥より~

2008-07-12 22:50:18 | ノンジャンル
「やめッ、いっ…」
 内壁から全身を駆け巡る快楽に、氷河は枕にしがみ付いた。
 氷河は午後7時過ぎに帰宅し、すぐに一輝にすぐにバス・ルームに引き摺り込まれ、寝室に入っても休むことなく挑まれ続けている。
 計8時間――。
 正に疲れを知らぬ肉体とは、一輝のためにある言葉に思える。
「あッ、あッ…いっ、き…」
 駆け抜ける快楽に、氷河は身悶えた。
 声を放ち続け、呼吸困難になりかけている。
「なんだ、氷河」
 苦しげな訴えに、なにを勘違いしたのか、一輝が苦役から解放されたばかりの果実に手を伸ばした。
「違う…いっき…」
 一輝の手から逃れようと、氷河は身を捩り、知らぬ間に一輝の欲望を締め上げてしまった。
「氷河…」
 一輝が擦れた声を出し、腰を左右に振りたくっている。
――もうダメだと心中、氷河は呟いた。体力では一輝には適わない。
 たかが「ジジイ」の一言にムキになり、8時間も氷河の身体で持久力を示そうとしている。
 バカに付ける薬はないというが、体力バカの一輝にも付ける薬はない。
 こういうバカの神経を逆撫でするべきではなかったと思うが、遅い。
 掌中で形を変えた果実が、透明な液体を滴らせるのを確認したように、一輝は氷河の内部に己が精を解き放っていた。

「続く」
 

24 (27) ~眠る鳥より~

2008-07-08 19:33:48 | ノンジャンル
「うるさい、このエロジジイッ! こんなこと、外で済ませて来いッ」
 嫌がる氷河など捻じ伏せなくとも、一輝ほどの男なら、相手に不自由はしないはずであった。
 性格を抜きに考えれば、一輝は見栄えはいい偉丈夫だからだ。
 それを記憶が甦ったからとはいえ、氷河を押さえ込む必要はないはずであった。
「お前でなければ、意味がない」
 何気なく発せられた言葉に氷河は抵抗を凍りつかせ、頬を染めていた。
「なんで、そんな…」
 一輝の一言で、全身の力が失せてゆく。
「本当のことだ」
 一輝がさも愛しげに、氷河の背に頬を摺り寄せている。
「卑怯だぞ一輝、そんな…」
 そんなことを言われ、身体の内外を弄られたら――。
 そこを突き上げられ、氷河の全身に痙攣が駆け抜けていた。
「くはぁ…」
 気が緩んだところを突き上げられ、氷河は僅かではあるが、己が精を解き放っていた。
「堪え性のないヤツだ…」
 一輝が氷河の背に唇を寄せる。
「お、お前が遅いんだ…この鈍チン…」 
 自身が達する気がないのなら、こんなことはしなければよいのだ。
「よく言った」
 一輝は繋がったまま、氷河の腰を摑み上げた。
 浮遊感に身体を仰け反らした氷河は、無意識に目にした時計の表示に、我が目を疑った。
 時計の針は、午前3時を指そうとしていた。
「待て、一輝、ちょ…」
 這わされ、圧し掛かられ、氷河は言葉を途切れさせた。
「待たんぞ、氷河…」
 一輝は氷河の胸元と下腹部を撫で回しながら、腰の抜き差しを始めている。
 内壁を激しい勢いで刺激され、氷河は悲鳴を上げていた。

「続く」

24(26) ~眠る鳥より~

2008-07-06 00:05:46 | プチ・原稿
 氷河は寝苦しさで覚醒した。 
 全身がだるい。
 氷河は水を飲むために起き上がろうとして、瞼を見開いた。
 氷河は背後から、何者かに抱き締められていた。
――なッ。
 抱き締められていると思ったときには、記憶が甦っていた。
「目が醒めたか?」
 首筋に鼻先を埋められ、氷河の全身が怖気たった。
「やめろ」
 氷河は一輝から逃れようとし、その感触に目を見張った。
「やめて欲しければ、態度を改めると誓え」
 一輝は内部に留めたままのそれを僅かに引き、そして突き立てた。
「やめッ、変態ッ!」
 自身が意識を失っている間も、一輝は欲に凝り固まった肉塊を収めることなく、氷河の体内に留まらせていた。
 その執念深さと持続力に、氷河は半ば呆れ、半ばで恐怖した。
「オレは、与えられた屈辱は忘れん男だ」
 一輝は氷河の身体を抱き締める腕に力を込め、言葉を続けた。
「ジジィを取り消して、素直に言うことを聞け、ん?」
 そう口にし、一輝は氷河の項(うなじ)に息を吹きかけた。
「やめろ、一輝」
 一輝が内部のものを僅かに動かし、耳元で囁きかけただけで、全身に細波(さざなみ)が走り、下腹部に痺れが凝縮する。
「ん? 嬉しいか、氷河…また、こんなにして…」
 一輝が下腹部に腕を回し、力を取り戻しつつある果実を握り締めた。
「よせってッ」
 氷河は一輝を押し退けようとし、手首の戒めが解かれているのに気づいた。
「よせではあるまい、こんなにして」
 一輝は果実と根元の膨らみを擦り、撫で、刺激する。
「嬉しくないッ、お前がこんなことをするからだろうッ!」
 未成熟だろうが、氷河も男だ。
 然るべきところに然るべき刺激をされれば、肉体もそれなりに変化すると、氷河は自身の不可解な身体の変化を、そう結論づけた。
「なんだ、氷河…居直る気か」
 一輝が果実を一定の間隔で扱き初めている。
「よせと言っているだろ」
 氷河は一輝の脛を蹴飛ばし、押し退けようようとした。
「お前…それが年上のものに対する態度か?」
 一輝が嘆きながらも腰を押し進めた。新たなる感覚に氷河は背を仰け反らせた。
「氷河…お前、オレにこれをされて、何回イッた?」
 一輝が先走りの液体を滲ませる窪みを親指で撫で回しながら口を開いた。
「うるさいッ、知るかッ!」
 氷河は一輝から逃れようとして、腰を押さえ付けられ呻いた。
「だいたいお前はなんだ、さっきからうるさいだのやめろだの、こんなに気持ちよくさせてもらっておきながら、恩義というものがないのか」
「バカかお前…嫌がっているのが解らないのか」
 氷河は硬く割れた腹筋に肘を叩き込み、自身の痛みに呻いた。
「なんだ、それは?」
 一輝が嗤い、続けた。
「オレにダメージを与えたければ、拳銃でも持ってこい」
 一輝の得意顔に、氷河はムカッ肚を立てた。

「続く」