JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

どうしようかしら~

2014-04-24 00:58:00 | 


 うちにはネコがゲージに入ったら、どんなイタズラをしてもスルーする。という暗黙の了承があります。

 それをネコたちも解っていて、暇だとイタズラをしたり、どこかを怪我をしたような声をあげ、私を惹きつけ、ゲージにダッシュ、というゲームをします。

 最初はゲージに入っていたのですが、最近、頭だけ突っ込んで、肩越しに様子伺いです。
 で、捕まえようとすると急いでゲージに入る、みたいな事をします(それも、身体半分だけッ)

 ゲージに慣れさせるために、たまに蓋をして持ち上げていたから、ゲージが嫌いになっちゃったんでしょうか…。

真夜中の怪談  6 (聖闘士学園へようこそss)

2014-04-19 02:04:00 | 聖闘士星矢
「氷河ってば、可愛いッ」
 瞬は氷河を抱きしめていた。

 後で、真夏に出て、真冬まで囁かれている幽霊の正体を教えようとおもった。

「こら、なにをするか、瞬ッ!」

 素肌の氷河を抱き締める瞬に、一輝は肚を立てた。

「いいじゃあない――ボク、氷河のことが大好きッ」
 一度、対すれば、クールに眉一つ動かすことなく、相手の時間を、その原子ごと停止させてしまう、白鳥星座の聖闘士の普段の姿の、なんと可愛らしいことか――。

「黙れッ、大好きなら、オレのところに来い、いくらでも抱いて、抱き潰してくれるわ」

 両腕を広げた一輝に、瞬は冷たい視線を向けた。

「兄さんは可愛くないから、しない」

 突然の出来事に凝固している氷河を、また抱き締めた。

「貴様、この兄を愚弄する気か? 表に出ろッ!」

 一輝は憮然とした面持ちで浴槽から上がった。

「沙織さんに怒られるから嫌、兄さん、一人で出れば?」

 瞬は氷河を抱き締めたまま、一輝を見上げた。


 その日の晩から浴場で“城戸の兄弟が、金色の髪の城戸を取り合った”という噂が広まったのは、いうまでもなかった。


END

 真冬の怪談なのに、春になってしまってスミマセンでした。
 また、何かを思いついたら書きますので、宜しくお願いします。

真夜中の怪談  5 (聖闘士学園へようこそss)

2014-04-15 18:45:00 | プチ・原稿
 この浴場は、学生が決められた時間に自由に入浴するという規則だが、偶々テスト前――氷河は浴場で一人きりになったことがあった。

 仕方なく入浴はしたが、身体を洗っているときに、背に冷たいものが滴り落ち、氷河は逃げるように浴場から抜け出し、二度と一人では入浴はしまいと心に決めていた。
 偶々水蒸気の雫が落ちただけだろう? という問も、戒めも、氷河の心には届かない、敵に対してはクールに徹し切る氷河も、心霊現象の前ではそうはいかないようであった。

「えっ…氷河、それって…」
 周囲に悟られぬよう言葉を濁す氷河の表情を、瞬はまじまじと見つめた。
 
 深夜、無断で浴場に入り込む者の調査を依頼されたのは、瞬と紫龍であった。
 一輝はつまらない調査などはしまいし、星矢なら面白がって、事態を拡大させかねない。そして、氷河は夏バテで、日常生活を送るのも辛そうであった。
 
 本当の霊なら祓うことになろうし、学生が無断でシャワーを使っているのなら、注意をすることになっていた。
 だが、生徒でないことは解っていた。

 浴場での噂がたつようになってから、鍵が丈夫な物に取り替えられていた。
 だが、その何者かは、合鍵でも持っているかのように、浴場への侵入を繰り返していた。

 物陰に隠れ、紫龍と瞬は噂の主を待った。
 
 消灯時間が過ぎ、どれほども待たずに、主は現れた。

 月明かりに照らされ、主は白く浮き出て見えた。

 主は鍵に手を当て暫く何かをしていたが、やがて鍵を解くと、何事もなかったように浴室に入っていった。

 紫龍と瞬は、薄く開かれた浴場の扉の前で、顔を見合わせた。
 錠には僅かにではあるが、氷の塊が付着していた。

 紫龍と瞬は、水音のする浴場を覗いた。

 噂の主は、気持良さ気にシャワーを浴びていた。
 普通の人間なら、何処に何があるのかも解りはしない、闇の中であった。

 もし、生徒がこの場に居合わせても、闇の中でシャワーが出ているとしか、判断できなかったに違いなかった。
 だが、月光が窓から差せば、仄白い物体の形を浮かび上がらせたかも知れなかった。

 噂の主は、氷河であった。

 但し、氷河は自分が寮則違反をしていたのは知らなかった。

 その年は、酷い猛暑が続いていた。

 極寒の地といわれる東シベリアで育った氷河は、完全にバテていた。

 夜も寝むれず、食も進まない日が続き、かろうじて授業には出ていてもノートを取ることもできずに毎日、朦朧状態が続いていた。

 一度、深夜の幽霊の噂を話してみたが、反応が鈍いどころか、怖がる仕草を見せた。

 紫龍と瞬はあの夜、見たものに付いては口を閉ざすことにした。
 気温が下がれば、氷河も己を失うことはなくなる。
 事実、そうなった。

 だが、そうなっても怪談話となって、ときに生徒たちの間で囁かれることがあった。
 
 その囁きが、本人である氷河の耳にも入ったらしかった。

「続く」

真夜中の怪談  4 (聖闘士学園へようこそss)

2014-04-14 05:27:00 | ノンジャンル
「だって、オレ…夜中に起こさたことがあるんだ、トイレに付いてきて欲しいって」
「あっ古賀、誰にも言わないでくれって頼んだのに」
 氷河が頬を染め、猛抗議した。
「どうして、トイレになんか…」
 そこで、瞬は言葉を切った。
 氷河は大の怪談嫌いであった。
 ユーレイの話に怯える。
 同じ冥界繋がりでも、冥闘士(スペクター)たちなら殴り直せるが、霊はそういうわけにはいかないと、ただひたすら怯える。
 その氷河が、この学園のある富士の青木ヶ原樹海が、日本で有数の心霊スポットであることを知ってしまった。
 今でこそ落ち着いたが、少しの物の影にも、確かに氷河は怯えていたときがあった。
「なーんだ、それでか…」
 瞬が笑った。
「なーんだって――ここにも出るんだろう?」
 氷河は左右を伺い、瞬の耳許に囁いた。
「出るって。なにが?」
 氷河が兄に操られているわけではないと知り、瞬は機嫌を直した。
「ほら、夜中に…白い…ほら…」
 それは夏頃から、囁かれ始めた噂であった。
 深夜、この浴場から水音がし、覗くと誰も居ないという、典型的な検証の目撃談が上り、学校の調べでも確かに湯を落とし、乾燥している筈のタイルが、ある一部分だけ濡れていた、という報告が上がったことがあった。
 学校はイタズラと決めつけたが、氷河の震えは止まらなかった。
 それ以来、氷河は一人での入浴は避けるようになっていた。

「つづく」

真夜中の怪談  3 (聖闘士学園へようこそss)

2014-04-13 04:10:00 | ノンジャンル
 数日前の放課後、瞬は兄の小宇宙を感じたことがあった。
 威力を最小限に押さえた鳳凰幻魔拳――。

 氷河の様子がおかしくなったのは、それからであった。

 以前は兄との間に張り巡らされていた透明なバリアーが溶け、氷河の兄に対する険も薄れたような気がする。

 まさか、とは思う。

 兄が凝りもせず、氷河に幻魔拳を撃ち込んだなどとは思いたくなかった。
 だが、兄ならやりかねないことであった。
「何かをされたなどと…失礼な。オレが、こいつに何をするというのだ」
 一輝が瞬に射るような視線を向けた。
「いろーんなことをしたよね? ボクにも、聖矢にも、紫龍にも」
 瞬が一輝を睨み返した。
「落ち着け瞬、オレは一輝になにもされていないから。今日だって、オレから声を掛けたんだ」
 険悪な雰囲気を醸し出す二人に、氷河は慌てた。
「なんで、氷河が兄さんを庇うの?」
 兄と氷河の間にあった出来事を思えば、素肌を晒す入浴を一緒に、というのは考えられない。やはり、不意を突かれた幻魔拳にかかっているとしか、考えられない。

 聖闘士の死闘は女神によって禁じられている。真面目な氷河はそれを守るにしても、不真面目な兄がそれを守るとは思えない。

 屋上で騒ぎを起こしたときに、氷河が目当てで、この山深い学園に編入したと公言した兄であった。
「それは――」
 氷河が瞬から視線を逸らせた。

「城戸が怖がりだからじゃあねぇ?」
 傍らからの声に、瞬が不審げに眉を顰めた。
 声の主は、氷河と同室の生徒・古賀であった。
「なんで氷河が怖がりなの?」
 氷河は聖闘士だ。人知れず、女神と共に地上を護った戦死であった。
 その氷河を“怖がり”とは――自分の名誉も傷つけられたような気がした。

「続く」