JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

経費削減SS (一輝と猫2)

2013-04-25 22:02:00 | 一輝・氷河ss
「いや、この猫が勝手に…」
 一輝は懸命に身体を舐めている猫を、視線で指した。
「どこの世界に、自分からビールを被る猫がいる?」
 氷河が冷たい眼差しを、一輝にむけた。
「17階のベランダに、忽然と猫が現れた、などと口にする輩に言われたくないわッ」
「本当にいたんだッ」
 氷河はビールの滴る猫を抱き上げた。
「あッ、オレのビールが…」
 猫から滴るビールと、倒れた缶を、一輝は見比べた。
「オレのビールではない、来客用に、オレが買い置きをしてあるビールだ」
 氷河は一輝に背を向けた。
「キサマッ、どこへ行く」
 猫を抱いたままリビングを出て行こうとする氷河に声を掛けた。
「風呂だ、濡れたままでは可哀想だろう」
「そうかな」
 風呂と聞いて、身体の舐め方に必死さが加わったような猫を見、一輝は嗤った。
「当たり前だろう、風邪でも引いたらどうする気だ」
 氷河が猫の額に、唇を付けた。
「あッ、キサマ――何の真似だッ!」
 自分とてご無沙汰な行為に、一輝は瞼を見開いた。
「なにをしようがオレの勝手だ、そんなことより、ビールを零した場所を拭いておけ」
 氷河は猫の鼻に口付けながら、一輝に背を向け歩き出した。
「――この…」
 一輝は氷河が背を向ける直前、鼻に口付けられながら、猫が自分を見、目を細めたのを見た。
――浴槽ごと、叩きのめしてやるッ。
 この不死鳥の聖闘士を愚弄した輩の末路を見せてやろうと、一輝は拳を握りしめた。
 だが、思っただけであった。
 そんなことをすれば氷河は兎も角、マンションの持ち主である城戸沙織の不興を買うに決まっているからだ。

☆矢「経費削減・番外編・一輝と猫」

2013-04-24 23:32:00 | 一輝・氷河ss
 一輝はその猫を見つめていた。
 猫は陽当りの良いリビングのソファの、ど真ん中で微睡(まどろ)んでいる。熟睡してはいない。うっすらと片目を開け、リビングの入口に立つ一輝を見つめている。
 いや、観察しているのだった。

 一輝は、この猫と相性が悪い。
 
 元々、この猫は氷河が拾ってきたものであった。
 
 氷河はベランダにいた、とほざいたが、この部屋は17階の、隣の部屋とベランダは完全に独立しているマンションだ。鳩や隼が舞い込むのならまだしも猫などが、絶対に迷い込むわけが無いのだ。

 だが、氷河が嘘をつく理由がないのも、また事実であった。
 
 このマンションは賃貸だがペットは飼って良いのだと、氷河は賃貸契約書をめくりながら、そう口にしている。
 ならば、氷河が一輝に遠慮などする訳がないのだ。

――まったく、何なのだこの猫は。

 一輝は冷蔵庫からビールを取り出し、猫の真横に腰を下ろした。
 
 猫は縄張り意識が強い生き物だが、自分に好意を抱いていない人間が間近に座れば、逃げるものだ。
 それを、この猫は上目遣いに一輝を見つめながら、微動だにしない。

――この、猫めがッ!
 一輝は腕を伸ばし、猫を捕まえようとし、その腕が空を切ったのに、唇を歪めた。
 別に、猫を捕まえようと思ったわけではなかった。

 
 始めてこの猫と出会った時の衝撃を、一輝は忘れたことがなかった。

 その日、一輝は出先から帰り、マンションのドアを開いた。
 扉を開いたのと、氷河の珍妙な叫び声を聞いたのが、同時だった。
 叫び声を放ち、廊下に出てきた氷河の姿に、一輝は目を見張った。
 氷河が全裸だったからだ。
 ずぶ濡れの氷河は、天敵一輝の帰宅にも気づかない程、取り乱していた。
 闘えば一輝には負け続けてはいるが、氷河も聖闘士であった。
 それも、聖域では黄金聖闘士と闘い抜き、ポセイドンの海底神殿では海闘士(マリーナ)と、冥界では冥闘士(スペクター)とも闘い抜いた男であった。
 その氷河が応戦の気配も見せず、何者かに追い立てられたかのように廊下に踊りててきたというのは、只事ではなかった。
  
 一輝は氷河を跨ぎ、浴室を覗いてみた。

 そこにいたのが、この猫だった。
 
 泥水に飛び込んだような色合いの猫が、一輝を見つめていた。

 一輝は猫と、珍しく入浴剤の投入されている湯船を見比べ、風呂に入ることにした。
 
 たかが猫一匹、何を恐れるのだと思いながら、一輝は湯を浴び、浴槽に浸った。
 その間、猫は椅子に座ったまま、微動だにしなかった。
 一輝は浴槽に浸り、湯で顔を洗った。
 その時、浴槽に顔だけを出した氷河が、椅子から微動だにしない猫を指さし叫んだのだ。

――バカッ、一輝ッ…ソレは猫の汚れだ、と。

 考えてみれば、吝嗇家の氷河が、来客でもないのに入浴剤など使うわけが無いのだ。
 
 外出から帰り、汗を流すつもりの入浴で、猫の汚れを全身に浴びてしまったことに一輝は肚を立てた。
 捕まえて、ベランダから放り出そうとした一輝の腕から掻い潜り続けた猫であった。

 あまりの猫の素早さに、一輝は光速の拳を繰り出し、それでも、この猫を捉えることが出来なかった。

 思いつきのまま伸ばした腕が、猫に触れられるとは思ってはいない。
 だが、ソファのど真ん中から、忌々しい猫を退かすことはできた。

 一輝はプルトップを開け、ビールを喉に流し込んだ。
 
 猫は少し離れた場所で一輝を見つめていた。

――羨ましかろう。

 一輝は猫に向かい、ビールの缶を掲げてみせた。

 どんなに悪賢い猫でも、ビールのプルトップを、自分で切ることは出来ない。第一、この美味いアルコールを、猫は飲むことができぬのだと、一輝は猫の前でビールの缶を振ってみせた。
「どうだ、猫め、欲しかろうが?」
 一輝は猫の口元にビールを近づけた。
 その時、猫の手が動いた。
 目にも留まらぬスピードでビールの缶をはたき落とされ、一輝は目を見張った。
 目を見張りながら、一輝は見た。
 一輝から缶をはたき落とした猫が、ビールの着地点目指して飛んだのを。
「ゲッ」
 一輝は目の前でビールを被った猫を見詰めた。
「あッ、キサマッ!」
 一輝は腰を浮かせた。カーペットや床を汚すと、氷河に何をいわれるか解らないからだ。

「何を騒いでいる? 一輝」
 寝不足らしい氷河がドアを開けたのを目にし、一輝の動きが凍り付いた。

「あっ、お前、猫に何をしているんだ?」
 ビールにまみれた猫に氷河は慌てた。
 猫は懸命に、自分に降り掛かっビールを舐め続けている。
 そこに、騒ぎを聞きつけた氷河が顔を出したのだ。
 
「続く」

 

去年の今日

2013-04-17 23:02:00 | ノンジャンル
 4月17日…。
 それは去年、私がパソコンにお茶を掛けてしまった日でした。

 それからは、ノートパソコンなのですが、ノートを開くと電源が入り、閉じると強制退去をしてしまうという、謎の症状が現れたのですが、一生懸命動いてくれました。

 皆さん、パソコンを持ち歩くときには、くれぐれも注意しましょうね。

猫好きな方はどうぞ

2013-04-13 01:15:00 | ノンジャンル
 ここ2.3日、めっきり冷え込みましたね。

 あまり書き込みが無いのに毎回拍手をしてくださる方、ありがとうございます。

 飼い主がしゃんとしないので、うちのネコがブログ始めました。

http://cat.ap.teacup.com/koutekisyu/

 お暇な方は、こちらもよろしくお願いします。

昨日の星矢

2013-04-08 22:49:00 | ノンジャンル
 いやー、聖闘士星矢Ω、新章突入ですね。
 星矢に暗殺者(アサシン)って、やっぱ無理でしょう――。

 でも、いいの…。
 OPに氷河が以前よりちょっぴり多めに出ていたから――。

 で、今日もPC教室に行って来ました。
 なんか原稿に役立ちそうなことを、地味ーに吸収しているような、いないような…。
 
 でも、原稿よりプリンタを直そほうが先ですね…。