JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
 猫小説とか色々書いています。
 

開眼(2)

2009-05-30 00:20:00 | 一輝・氷河ss
 ロシア人の母を持つ氷河は、7つの年に日本にやってきてからは城戸の屋敷で育ち、その後に修業地であるロシアに送られ、聖闘士として日本に戻ってからは聖戦で寧日のない日々を送り、聖戦を終えてからは書類付けで、殆ど世間に目を向けることがなかった。
 また、氷河自身も個人的にどこかに出かけようという性格の持ち主ではなかった。
 日本で生活をすることになってからも、食事は自炊をしていたのだ。
 その氷河が、インスタント食品の便利さを知ってしまった。
 何かを食べている氷河の背中に声をかけ、ガス代に置いてある熱湯の入った薬缶を指差されたときに受けた一輝のショックなど、氷河は一生理解することはないに違いなかった。
 なぜ飯を炊き、卵1つ割ろうとしないのかと、一輝は自分の不精は棚に上げ、嘆く。
 今となっては仕事の合間に鍋に適当なものを放り込み作った氷河のスープが懐かしい。
 時間があるときは、パスタを打ち、パンも焼いていた氷河であった。
 その氷河がパッケージを空け、湯を注ぐインスタント食品を常食とし、一輝にもそれを強要する。
 いっそ、幻魔拳で氷河の記憶を操作できないものか――。
 幻魔拳を打ち込み氷河の、インスタント食品に対する記憶だけ消す。
 いや、ダメだと、一輝は自分の考えを打ち消した。
 以前、一輝は氷河の記憶を操作しようと、幻魔拳を打ち込んだことがあった。
 ために氷河は小宇宙を失い、それを知らず氷河を伴い出かけた女神ごと、危機に晒したことがあった。
 何事にも鈍い氷河は、自身の小宇宙が消えたことに気づかなかった。
 女神を危機に陥れたのは自身の小宇宙が消えたことに気づかなかった氷河であり、聖闘士の小宇宙が消えていることに気づかず、現場に伴った女神自身である。
 だが女神は、氷河の小宇宙が消えるきっかけを作ったと一輝に激怒し、一輝の小宇宙を封じるという、暴挙に出た。
 ために一輝は氷河には肋骨を叩き折られ、街の不良に絡まれるという屈辱を味わうことになった。
 今回、同じことをし、また氷河の小宇宙が変化することになれば、女神に何をされるか解らない。
 物思いに耽り、正午のテレビを見ていた一輝の背後で扉が開き、氷河が姿を見せた。
 一輝は薬缶に火をかける氷河を横目で見ていた。
 薬缶に火をかけた氷河がインスタント食品の封を開けている。
 おや、と一輝は首を傾げた。
 いくら食に興味の乏しい氷河といえど、インスタント食品の種類は変える。
 インスタント食品の種類は変えても、作り方は変えない。
 薬味は湯と同時に入れ、スープや香油は余熱で暖めて、などというメーカー側の美味しく食べるための説明は無視し、氷河はなにもかも湯と同時に投入し、時間を待つ。
 今日、氷河が手にしているのは四角いパッケージの焼きソバだった。
「な――」
 一輝は出かかった言葉を呑み込んだ。
 氷河はソースと薬味を投入したパックに湯を投入したのを一輝は見ていた。
 止める気もないが、止める間もない出来事であった。
 そのインスタント・焼きソバは薬味と湯を投入し、湯を捨てた後にソースをあえるというものであった。
 だが氷河は、湯と同時にソースも投入している。
 氷河は湯を投入した焼きソバのパッケージをテーブルの上に置き、雑誌を手繰り始めた。
 一輝は氷河の様子を観察していた。
 時を見計らった氷河が湯の満たされた焼きソバを箸で掻き混ぜている。
 氷河が肩にかかる髪をピンで留め、万全の準備を整え、薄く色づいた麺を口に運んだ。
 一輝は視線をテレビに転じた。
 氷河が一輝の様子を窺っているのが解る。
 氷河もそうだが、聖闘士たちは修業地で食べ物の貴重さは骨身に沁みている。食材を捨てることなど、あってはならないことであった。
 やがて氷河は席を立ち、訳の解らない食材に成り果てた麺を調理し始めた。

 以来――しばらく、氷河がインスタント食品を食卓に乗せることはなかった。

END

 


開眼 (たまにはssなどを…)

2009-05-29 04:57:00 | 一輝・氷河ss
 ここ数ヶ月、一輝は悩んでいた。
 地上を護るために冥界まで赴き、居並ぶ冥闘士たちを倒し、冥王ハーデスの野望を打ち砕いた不死鳥星座の聖闘士の一輝を悩ましているのは、同じく白鳥星座の氷河であった。
 一時は憎み合い、私闘を繰り広げたこともあったが、いまや1つの部屋に住まう同居人であった。
 同じ聖闘士であり、異母兄弟である星矢や紫龍、そしてあの小さかった弟の瞬までもが彼女を作り、生活の基盤を固めつつあるのにも拘らず、居も定めずにいた一輝と氷河は沙織に命じられ、都内のいわくつきのマンションで同居をするように命じられた。
 その時点で、氷河には職も住居もあったが、女神(アテナ)の命で仕方なく氷河も一輝と同居せざるを得なくなった。
 当然、家事は氷河の役割となった。
 料理などする気のない一輝は空腹になると氷河が眠っていようが、仕事の途中だろうが、食事を要求する。
 却下すれば食欲以外の「欲」を要求されることになるから、氷河は黙って食事の用意をする。
 以前は「欲」を満たそうとする一輝に死に物狂いで抵抗していた氷河だが、今は賃貸住まい。聖闘士同士が例え、聖衣なしででも拳を交えることがあれば、物件は崩壊、近隣住民に被害を及ぼしかねない。
「地上の愛と平和を護る」という伝説の聖闘士が、現在では人間に被害を及ぼしたのでは洒落にならないから、氷河は大人しい。
 その氷河がインスタント食品に開眼してしまった…。
 聖戦を終え、グラード財団を故・城戸光政翁の血縁である誰かに引き継がせ、自身はギリシャに還ろうとしていた女神の思惑は、外れた。
 東洋随一のコングロマリット・グラード財団を継ごうという者が誰もいない。
 肚を立てた沙織は、一輝たちに財団の仕事を割り振る。
 ロシア語に堪能な氷河は書類の翻訳や、文章の作成に寝る暇もないほど扱き使われている。
 当然、食事を作る時間などない期間があった。
 自分だけならジャムと紅茶だけで飢えをしのぐ、世事に疎い氷河に、インスタント食品の存在を教えたのは瞬だった。
 余計なことをと思ったが、可愛い瞬の行いなので、一輝は大目に見ることにした。
 だが、それからがいただけない。
 種類は変えるが、以来インスタント食品生活が続いていた。

「続く」
 

こんな物まで…☆

2009-05-27 04:55:00 | ノンジャンル
 なんか、最近「クッキング・おもちゃ」が流行っているとかいないとか…。
 もう、タイヤキ作ったり、海苔巻き作ったり、蕎麦を打ったりと、驚いていたのですが、今朝テレビで「生キャラメル」まで作れるものがあるというのを目にしまして…。
 キャラメル万歳、な気分です。

あれ?

2009-05-24 04:24:00 | ノンジャンル
 昨日、投稿した分が投稿されていない…?
 なんで?

 そういえば、最近とみに電化製品と相性が悪い。
 この間も、熱いと冷房入れて、ある程度涼しくなったら止めるつもりでいたらリモコンを落として壊し、1日寒い思いをしたりとか…。
 でも、直してもらえばいい(もしくは買い換えてしまえ)と思っていたら「買うと○千円しますし、取り寄せですよ」といいながら親身になってリモコンを直してくださった電気屋さんに感謝しながら、物は大切にせねばいかんよ、と自分に言い聞かせたり…。

ありがとうございました

2009-05-17 23:16:00 | 
 先日、「ギャー」が亡くなりました。
 可愛がって下さった皆様、ありがとうございました。




 野良だったのに、病気だったのに、本当におりこうな猫でした。
 あまりいい飼い主ではなかったけど、今までありがとうね。
 もう、ご飯もお腹一杯食べれるね。
 先に逝ったお兄ちゃん「イクラ」と今ごろ元気に遊んでいると思います。