「あり地獄」と呼んでいるバーが銀座の片隅にある。
洋酒文化を創り支えた歴史あるカウンターバーが姿を消しつつある中で、生き長らえて欲しい店が一つある。
この店は、地下1階がカウンターバー、地下2階はカラオケルームとなっている。
マスターの井上さんは、酒、銀座のマスターと言うほど詳しく、あと10年頑張ってもらうと生き字引として国宝に匹敵する銀座宝を授与される?
この店の、地下2階のカラオケルームを仲間内で「あり地獄」と呼んでいる。
「飲みに行きましょうか?」
「あり地獄行く?」
「今回はパス!」
ごくごくうちわの仲間でこんな会話がされる。
この「あり地獄」に入ったら、なかなか脱け出し岐路につく事が出来ないばかりか、結果、元気が吸い取られて抜け殻になってしまうから怖い。
この前などは、タクシーに乗り、頭から生暖かいものが落ちてきたので触ってみたら、血だったので驚いた。
「あり地獄」は、元気だけでなく、血まで吸い取るところなのだ。?????
カラオケがあるからでもなく、また、お酒があるからでもなく、ママが美人だからでもなく、なんとなくなのだ。
なんとなくがこの「あり地獄」の魅力なのだが、実は、本当の魅力は、落ちたら死んでも抜けられない「地獄」そのものの存在を求める精神構造にあるのだと思う。
極めれば一つが全てと言い切れる。
しかし残念なことに、私たちは多くの選択肢を提供され、選択することに疲れと焦りを感じ始めていないだろうか?
選択の余地のない状況にいたい。でも、選択のない状況は怖い状況でもあり、限りなく健全に疑似体験で済ませたい。
この店は、私達仲間の元気と血を吸い取ることによってこころを健康にしてくれているのだろう。
いいかえれば、この店は、アルコールと長時間の肉体的な苦役を行うことによっていらないものを捨てる儀式を行い、このことによって一時の抜け殻人間を生産し、家庭にそして会社に送りだす機能を果たしており、この機能・役割が理屈では説明できないが、気持ちいいのでまたはまりに行くのだ。
いや失礼! もっと率直に言えば、体力、時間を消費尽くさないとTHE ENDとならない、わがままな客の欲望を受け止めてくれるありがたい店なのだ。
これを「あり地獄」なんていって申し訳ない。
洋酒文化を創り支えた歴史あるカウンターバーが姿を消しつつある中で、生き長らえて欲しい店が一つある。
この店は、地下1階がカウンターバー、地下2階はカラオケルームとなっている。
マスターの井上さんは、酒、銀座のマスターと言うほど詳しく、あと10年頑張ってもらうと生き字引として国宝に匹敵する銀座宝を授与される?
この店の、地下2階のカラオケルームを仲間内で「あり地獄」と呼んでいる。
「飲みに行きましょうか?」
「あり地獄行く?」
「今回はパス!」
ごくごくうちわの仲間でこんな会話がされる。
この「あり地獄」に入ったら、なかなか脱け出し岐路につく事が出来ないばかりか、結果、元気が吸い取られて抜け殻になってしまうから怖い。
この前などは、タクシーに乗り、頭から生暖かいものが落ちてきたので触ってみたら、血だったので驚いた。
「あり地獄」は、元気だけでなく、血まで吸い取るところなのだ。?????
カラオケがあるからでもなく、また、お酒があるからでもなく、ママが美人だからでもなく、なんとなくなのだ。
なんとなくがこの「あり地獄」の魅力なのだが、実は、本当の魅力は、落ちたら死んでも抜けられない「地獄」そのものの存在を求める精神構造にあるのだと思う。
極めれば一つが全てと言い切れる。
しかし残念なことに、私たちは多くの選択肢を提供され、選択することに疲れと焦りを感じ始めていないだろうか?
選択の余地のない状況にいたい。でも、選択のない状況は怖い状況でもあり、限りなく健全に疑似体験で済ませたい。
この店は、私達仲間の元気と血を吸い取ることによってこころを健康にしてくれているのだろう。
いいかえれば、この店は、アルコールと長時間の肉体的な苦役を行うことによっていらないものを捨てる儀式を行い、このことによって一時の抜け殻人間を生産し、家庭にそして会社に送りだす機能を果たしており、この機能・役割が理屈では説明できないが、気持ちいいのでまたはまりに行くのだ。
いや失礼! もっと率直に言えば、体力、時間を消費尽くさないとTHE ENDとならない、わがままな客の欲望を受け止めてくれるありがたい店なのだ。
これを「あり地獄」なんていって申し訳ない。