赤ワインとゴルゴンゾーラチーズ
11月17日0時から今年できたワイン、ボジョーレヌーボが飲める。
最近行き始めたこだわりの日本酒とワインを仕入れている地元の居酒屋がこのパーティを開催するというので参加する事にしたが、条件は、おつまみを各自持ち寄るということだった。
理由を聞いたら何たることか、店主も料理で時間を使わないで飲みまくりたいだけだった。(参加者もワイン代だけなので安くなるというメリットはあるが。)
フランスのボジョレー地区で今年作られた赤ワインを飲むので、ブルーチーズや鴨の燻製などくせがあるモノが良さそうかなと思いつつ、目新しい食材のめぼしをつけるためにデパートにいってみたら、さすが商魂だなと感心するセールがされていた。
チリの落盤事故で地底700mから帰還した33人を祝っての「チリワインセール」だった。
前から南半球のワインが“うまくて”“安い”ので、チリ・南アフリカ・オーストラリアのワインに注目していたので、躊躇いもなく赤ワインを買ってしまった。
そこで、赤ワインに合う料理をレッスンを兼ねて作ってみた。
主役は、ブルーチーズの代表の一つであるイタリアのゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)。
普段はブルーチーズとして扱っていたが、後で調べると三大産地があり、フランスのロックフォール、イギリスのスティルトン、そしてイタリアのゴルゴンゾーラが三大ブランドとして確立していて、それぞれ厳しく原料・製法・製造地などが管理されていて排他的なブランド管理がされているようだ。
ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)はミラノの近郊にある町で、ここで作られたのでその名がついたが、今では都市化と共に生産されなくなっているという。
発酵の歴史には人間の“うっかり”“度忘れ”などの怠惰さが付きまとうようだが、ゴルゴンゾーラにも同じような由来がある。
ゴルゴンゾーラは9世紀頃、放牧していた牛を高地から平地に下ろす時の休憩場所であり、牛の乳から作ったチーズがおいしく名物になっていったが、ある時、若いチーズ職人が恋にうつつを抜かしていたら、チーズにカビが生えていたという。
史実であるかどうかは疑わしいが、きっとこんな“うっかり”があったのだろう。それにしても、カビが生えて腐ったチーズを最初に食べたゴルゴンゾーラの人間は偉い。
きっとこの青年が、カビの生えたチーズを罰として食べさせられ、赤ワインをたっぷりと飲んだのかもわからない。
(写真) 仕掛1:チキンとポテトとキノコとゴルゴンゾーラ
(写真)仕掛2:オーブンから出した状態
(写真)盛り付け
さて料理だが、意外と簡単で赤ワインには合いそうだが子供向きではなさそうだ。子供向きにするには、生クリームとゴルゴンゾーラでソースを作りこれをかけたほうが良さそうだ。
【材 料】 (4人分)
鶏もも肉 2枚
ジャガイモ 大3個
エリンギ 2パック
ゴルゴンゾーラチーズ 60グラム
鶏のブイヨン 100ml
マスタード 30グラム
パン粉 2カップ
塩・コショウ 適量
バター 少々
サラダ油 適量
付け合せ野菜 適当
【作りかた】
1. ジャガイモを7mmの厚さで輪切りし、固ゆでする。
2. エリンギは、厚めのスライスにし、フライパンにサラダ油を熱しサッと焼く。
3. 鶏もも肉は、フライパンにサラダ油を熱し、中火で皮目から焦げ目がつくくらい焼いたら、裏返して焼く。
4. 焼きあがった鶏もも肉を1センチぐらいの厚さで切る。
5. 耐熱皿の内側にバターを塗り、ジャガイモ・鶏肉・エリンギを交互に並べる。
6. 5に温めた鶏のブイヨンをかけ、塩・コショウを振り、ゴルゴンゾーラチーズをちらす。さらに、マスタードを均一になるようにかけ、最後にパン粉をまぶす。
7. 180度に予熱したオーブンで15分焼き、取り出したら付け合せの野菜を盛り付ける。
【評 価】
ゴルゴンゾーラチーズとマスタードが大人の味を創り、ボディがしっかりした重めの赤ワインでもピッタリでした。ジャガイモがボリューム感を出し、これ1品でも胃袋を満たします。
軽めが希望の場合は、ジャガイモをはずし、エリンギ・シイタケでより酒の肴になるでしょう。
また、パセリのみじん切りを振り掛け、緑が入るとスッキリした色合いになります。
チリの落盤事故ではリーダーシップの重要性が話題になりましたが、この1ヶ月ほど持病になりつつあるぎっくり腰で、初期のシップの重要性を認識しているこの頃です。