丸底フラスコのブログ(goo版)

ヤフーブログからの引っ越し組

自然は残酷だけど手は出せない

2013-09-18 01:01:17 | いきもの話
今朝雨戸をあけると、となりで飼っている猫2匹がなにやら一箇所を見つめている。
一匹は何かに驚いて飛び跳ねたようだ。

その何かはどうやら生き物のよう。
遠くて何かまではわからないが、力なくゆっくりと茂った草の中にに消えていくのがみえた。


気になって見に行くと、いつもなら逃げるはずの猫が全く逃げない。
何やら黒っぽい塊が見える。見慣れた模様がある鳥の羽。

キジバトのひなだった。


まだくるくるとしたひな毛がのこる、しっぽも生え揃っていないキジバトの幼鳥。

胸のあたりを裂かれていて、そのう(鳥の胃袋ね)がやぶれ、食べたものが見えている。
力なく座り込んで、口を少し開けて息をしている。
目はあいていた。


この傷ではいまここで猫から引き離しても助かる可能性は低い。


指でちょっとだけ頭を撫でてみた。動く様子もない。

鳥に触れても猫は逃げなかった。
取られるんじゃないかと気が気でなく、私を見張っていたんだろう。



かわいそうだけど、私にはどうすることもできない。
助けたところで苦しいのが長く続くだけかもしれない。
それにこれから会社だし、病院へ連れて行く時間もない。


そう自分に言い聞かせて、断腸の思いでその場を去った。


近くに高い木があり、昨日の風で落とされてしまったようだ。
気の根元は茂みなんだけど(ただ単に手入れしていないだけともいう)
猫に見つかり、引っ張り出されてしまったんだろう。



後で出勤前に見に行くとどこにも姿はなかった。
そこの目の前の家がもしかして助けたのか?と思った。
でも普通に女性がサッシを全部開けて掃除をしていたので、どうやら違うみたいだ。


猫を飼っているおうちの前を通ると、先ほどの2匹のうちの1匹がこちらを見ていた。

もう一匹が見当たらないのでその子が咥えて行ったのだろうか。


猫はそういう習性があるし、すぐに殺さずにしばらくいたぶるのもわかってる。
だけどいざ目の前にすると猫を悪者扱いにしてしまう。


キジバトだって、超すっかすかの巣を作ることも知っている。
以前やはり台風の日に、卵やひなが落ちたりしていた。
言い方悪いけどもうすこしまともな巣を作れないのかよ、と思うほど雑な巣。
そうでなくとも物置を壊すほどの風ではひとたまりもない。


あの木に巣があることに気づいていれば
台風のあとに見に行けたのに、とか
もう少し早く見つけてあげることができたらなど
たらればをいくら連ねても無駄なことはわかっているのに
何故か考えてしまう。


キジバトの頭はとっても暖かかった。

人が介入していいところってどこまでなんだろうね。


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
助ける助けないというのは複雑な事柄ですよね。 (ジン・CF)
2013-09-18 01:23:00
何かを助けるというのは何かを代わりに助けない。
すべてを助けることができないがためにどちらかに不幸な思いをしてもらう。
つまり自分が助けたいものしか助けることができないということ。
それは傲慢であり、偽善でもある。
けれど悼むことは誰しもが平等に行えること。
なので私もキジバトちゃんの冥福をお祈りします。
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Unknown (pii)
2013-09-18 01:28:00
見つけるタイミングによっては助かったかもしれませんが、タイミングも運…というか縁だと思います。しかたがないことですが、いったん見てしまうと気になりますよね。
うちの実家にもよくキジバトが巣をつくってましたが、ほんとに無防備な巣で、猫や蛇に狙われて結局ダメだったようです。
小学校のドバトなんて非常階段に松葉を数本置いたような巣で、あきれたことがあります。
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ジンさん (丸底フラスコ)
2013-09-18 01:34:00
ありがとうございます。
感情ほど定義があいまいな線引きはないですね。
これがゴキブリやセミなら助けようと思わないのに。
助けたいものしかたすけない。これ完全ひいきでエゴなのだろうなと思います。
願わくは持ち帰った戦利品を飼い主さんがみて、猫を誉めた上で手厚く葬ってくれていたら…と思います
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piiさん (丸底フラスコ)
2013-09-18 01:45:00
運はたしかに言えてます。
みてしまうとなかなか運が悪かったですまないような気持ちになってしまいますね、どうしても。
今まで存在すら知らなかったのに情がわくのは鳥好きだからもあるのかな、なんて。
ドバトもキジバトもなんであんな巣作りへたなんでしょう。
見てる方が不安になるようなあばら屋だし。
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こんばんは。 (今日も、こっそり自然観察!)
2013-09-18 20:14:00
・・・とても!切ないお話でしたね・・・
話が少しずれるかもしれませんが、高校時代の先輩が怪我をおった犬(酷い怪我だったのだと思いますが)を保護し、獣医さんに見せたところ・・・残念な事に・・・された・・・そうです。その方が犬にとって幸せだと!言われたらしいのですが・・・とてもショックを受けておられました(自分を随分責められたのでしょうね・・・)
・・・全てが自然の「いとなみ」のなかで展開されてることなのでしょうが・・・時には、とても残酷と思える出来事に出会ってしまいますね・・・切ないです・・・☆
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う~む♪ (みゆき)
2013-09-18 22:57:00
自然の中で生き抜いていくことがいかに大変なのかですね。
ヒナはとっても可哀想で切なくなります(*^_^*)
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こっそりさん (丸底フラスコ)
2013-09-19 00:30:00
そんなことされたらショックですよ~!!
助かると思って連れて行った病院でまさかの展開じゃあ・・・
自然の営みから人間がどんだけ離れた生活しているかよくわかりますね。
助けたところで、苦しいのや痛いのがずっと続くようでは、本当に動物のためになっているのか。
お医者さんはそれを言っていたんでしょうけど切ないです。
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みゆきさん (丸底フラスコ)
2013-09-19 00:32:00
こうやって増えすぎないよう淘汰されていくんでしょう。
ヒナ、大人に比べたらまだ小さくて飛ぶことができず
逃げきれなかったようです。
可哀想ですがこれもまた運命なのだろうなぁと、ため息ついて家に戻りました。
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うちもウズ子を猫に食べられてしまったので悲しいです。 (sugar)
2013-09-19 22:58:00
助けたいとは思います…が、むやみに拾ってはいけないと聞いたことがあります。
以前に、ドバトがすごく弱っていて苦しそうにもがいていたのですが
結局助けられなかったのを覚えています。どうしたらよかったのか。
今でもわかりません。
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sugarさん (丸底フラスコ)
2013-09-19 23:05:00
ペットだったら何が何でも助けたいですが、野生動物を拾っても、なかなかその後が難しかったり、飼うにしても役所に申請とかめんどうなことがいろいろありますね。
そうでなくとも弱っている動物を今目の前にして、何もしてあげられない不甲斐なさを痛感します。
答えはないのかもしれないし、何もしないのが答えかもしれないし、難しい線引きです。
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