YAMAHA XS250 (4A8)

1981年式Midnight Specialの修理・整備とツーリングの記録

XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換⑤

2025年03月18日 | YAMAHA XS250(SOHC) 整備記録

《前回からの続き》

XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換④ - YAMAHA XS250 (4A8)


早くホイールを組んで走りたいので、やるかどうか迷った末、せっかくここまでフロント周りをバラしたし、ということで、フォークオイルも交換しておくことにする。

前回フォークオイル交換時(フォークオイル交換 その7 )うまくいかなかった自作工具を再加工し、アリエクで買っておいたアルミ製のウインカーステーの様なものと組み合わせて使ってみようと。うまくいったら、この自作工具を「フォークスプリングシートプッシャー」と名付けよう(笑)

まずは電動ドリルで自作工具に穴を開ける。

手持ちの長ボルトを使用するためには、7.5mm径の穴を開ける必要がある。ドリル刃は6.5mmまで持っていて、それ以上はテーパーリーマーで広げるのだが、テーパーリーマーが見当たらない。


穴加工はあきらめ、何か使えそうなものがないかとガラクタ入れの箱を漁るとこんなものが。
なんとなく、使えそうな気がする。
 
で、このように組み合わせて使ってみたものの、グラグラで役に立たず。

ふと見渡すと、前回フォークオイル交換時(フォークオイル交換 その4)に試しで買ってみたが使えなかった三方クランプが目に留まる。
ウインカーステー的なものと組み合わせ、このように使ってみた。
適当すぎて、とても「フォークスプリングシートプッシャー」と名付けられるようなものではない(笑)
 
ピックツールを差し込むスペースが狭く、30分弱かかってようやくCリングを外すことに成功。
 
スプリングシートとスプリングを取り外し、フォークをさかさまにしてオイルを抜く。
2年以上経っているフォークオイルは、それなりに汚れている感じ。古いオイルの臭いがするし。
 
2Fという粘度がよくわからないまま、量的にちょうどいい(あまり無駄が出ない)というだけで買ったカワサキのフォークオイル。
調べたところ、2Fというのは7.5番相当らしい。
 
一昨日雑に補修塗装したステムカバー(?)
塗り残しの部分があり、この後タッチアップしたらますます雑になった。
とりあえず錆の進行を遅れさせることができればよしとする。


フォークは右だけオイルを抜いたところまでで本日は終了。

XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換④

2025年03月16日 | YAMAHA XS250(SOHC) 整備記録

前回からの続き

ステムベアリングレースの新旧比較にて間違いないことを確認。取り外した方のレースも打痕等は見当たらず。替えなくてもよかったかも。


アリエクで注文した内径31mmのアルミパイプがまだ届いていない。
手持ちのもので何とかできないかと工具箱を漁ると、何かの打ち込み用に買ったと思われる塩ビパイプがあった。内径30mmのアルミパイプと組み合わせて使ったら、うまく打ち込めた。

 
取り外したベアリングボール。こちらも再使用しても問題なさそうなほどキレイ。


せっかく買ったから、新品のボールを使う。「93501-04011互換品」となっているので間違いない。


一番の懸念はこの部分に打ち込むレース。かなり深くまで打ち込む必要がある。


こちらは汎用品(N.T.B.製)がある。


ベアリングレースドライバー(だったかな?)でかなりの回数叩き込んだが、レースドライバーがキズつくだけで、なかなか入っていかない。


ステムベアリングレースも、ホイールベアリング圧入に使った自作工具を使用して圧入することになった。



上側のレースは純正部品。パーツナンバーは変更になっている。こちらにはわずかに打痕が付いていた。



上側はすんなり打ち込めた。


一番上のレース。こちらも純正部品が出る。パーツナンバーは変更になっている。


レースにグリスをつけて、ボールをセット。


グリスを馴染ませる。


さらに上からグリスを。
反対側のレースにもグリスを塗布。


ステム組み付け完了。


ステムカバーのところどころの塗装剥がれが気になる。簡単に補修塗装しておこうと思ったが、


結局エンブレムを取り外し、当初思っていたより広範囲を塗装することに。エンブレムを取り付けているスピードナット2個のうち1個を無理に取り外したためヨレヨレにしてしまった。
 
スピードメーターケーブルインナー、タコメーターケーブルインナーをオイルアップした。
 
スピードメーターユニット内のグリスが痩せている気がする。分解して古いグリスを除去した後、新しいグリス(スーパーゾイルグリス+ベルレイウォータープルーフグリス)を塗布し組み立て。

XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換③

2025年03月14日 | YAMAHA XS250(SOHC) 整備記録
前回からの続き
XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換② - YAMAHA XS250 (4A8)

2025.03.13.

こちらのシールは純正部品を使用する。一応新旧比較して確認。


アッパーカバー(兼ヘッドライトステー)を保持するガスケットは相当劣化している。


ゴム屋さんでワンオフでオーダーも考えたが、今回はこれで補修してみる。


マスキングテープで固定。


2025.03.14.

パイロットベアリングプーラーが届いた。
前のものより作りが少し華奢に見えたが、全く問題なく使えた。


打ち込みツール(正式名称は忘れた)。
ベアリングの打ち込みには使わなかった。


結局、前回使った自作工具を使用して圧入することに。
工具といっても、ホームセンターでバラ売りされてる両切りボルトとワッシャとナットを組み合わせただけのもの。
でもこれが一番使える。


サービスマニュアル通り、先に右側ベアリングを圧入。
次に反対側からカラー(とワッシャ)をハブに入れてから左側ベアリングを圧入するのだが、カラーがハブの中でコケそうな感じ。


左側ベアリングを入れればカラーも収まるかと、あまりよく確認せず左ベアリングを圧入すると、やはりカラーがハブのなかて横を向いてしまった。

入れたばかりの左ベアリングを再度抜き取り。よくよく見ると、右側ベアリングが圧入しきれていなかった。


右ベアリングをきっちり入れてからカラーを反対側から入れる。これで間違いない。
しかし二度手間になってしまった。


そんなわけで、何とかホイールハブベアリングの交換は終了したものの、今日は無駄な作業が多かった。

ホイール周りとステムベアリングの潤滑にはこのグリスを使う予定。買ってから20年は経っているはずの、ベルレイ ウォータープルーフグリス。なかなか評判いいみたい。


毒々しい色(笑)
粘度は高め。


さらにもっと昔に買ったペンゾイルのマルチバーパスグリス。


こちらはピーナツバターみたいな感じ。ベルレイより粘度低めで、その名の通り、まあ万能に使える。


《続く》

XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換②

2025年03月12日 | YAMAHA XS250(SOHC) 整備記録

《前回からの続き》

 
ボトムのステムベアリングレース打ち込み用にアリエクで買った内径30mmのアルミパイプが使えないと判明。そりゃ、内径30mmのベアリングレースを打ち込むのに、同じ内径ならアルミパイプも圧入することになるよな。ちょっと考えればわかることなのに。
 
あらためて内径31mmのアルミパイプをアリエクで発注。届くまで先に進めておく作業は沢山ある。
 
2025.03.12.
 
帰宅後、とりあえずホイールベアリングを抜き取ることにした。
 
20年近く前に買ったパイロットベアリングプーラー。また日の目をみることになろうとは。


ホイルシールを取り外し、指を突っ込んでベアリングを回して確認。全く問題なさそう。でも20,000km以上は使っているから、まあまあ替え時だろう。


武蔵オイルシール工業製のシールで問題なさそう。


使い方をきっちり思い出さず、うやむやのまま何となくベアリング抜き取り作業を始めてしまい、使い方を間違ってプーラーのネシ部が外れなくなった。


色々工具を駆使して、何とか取り外し。


作業を続行したが、まだ使い方を思い出していなかったようで、またプーラーのねじ部を噛み込ませてしまった。リクツを考えればわかることなのに、以前やった作業だからとよく思い出さないうちに作業にかかってしまったせいだ。我ながらなさけない。
 
ここまで抜き取りかけたところでどうしようもなくなった。


この部分がどうやっても外せなくなってしまった。


再度何とか外そうと、汗が流れ出すほど格闘したが、相当キツく締め上げてしまったため緩む気配は全くなし。

まことに不本意ながら、新たにパイロットベアリングプーラーを発注せざるを得なくなった。それにしても、送料込みで2,780円って、使い物になるのか不安なほど安いな。使う頻度は高くない工具なので、今回もってくれればいい。


いつまでもこんな状態にしておくのも気になる。


トラブルツリーのボトムのベアリングレースを外す際、タガネで少し傷つけてしまったので、リューターで小さなバリを修正。


《続く》

XS250 ホイールハブベアリング・ステムベアリング交換①

2025年03月09日 | YAMAHA XS250(SOHC) 整備記録

2024.04.16.

思えば長いことホイールベアリングをメンテナンスしていない。
雨中走行もそこそこ多かったし、これだけ年月が経っているとグリスもカラカラになっているんじゃないだろうか?
グリスを入れ替えるだけにしようかとも思ったが、そんなに高いパーツでもないし、ベアリングごと交換を検討。
 
フロントは純正部番93306-30206×2個。
リアは93306-30309と93306-30416各1個。
純正を買うとこれだけでも馬鹿にできない金額(全部で6千円超え)となる。
前回交換時もNTN製のものを利用した。
 
今回はそれなりに調べた結果チョイスしたのは、
フロント用
NTN製 6302ZZ CM 5K
リア用
NTN製 6303ZZ CM 5K
NTN製 6304LLU CM 5K
末尾の5Kというのは、若干スペシャルなグリスを封入しているということらしい。マルテンプSRLというグリスで、協同油脂のHPを見ると、低騒音性に非常に優れ、広温度範囲で使用可能な玉軸受用 の「デファクトスタンダード」グリスとのこと。さらに、潤滑寿命実験によると、通常のリチウム系グリスに比べ、10倍以上の長寿命とか。ひょっとしたらもう一生XSのホイールベアリングは交換する必要がなくなるかもしれない(笑)
 
オイルシールも純正品は高い。ヤマハは他メーカーに比べ特に純正部品が高い。
フロント用
93102-22014 781円
93105-45017 836円
リア用
93104-27026 803円
 
代わりの物がないかとモノタロウで検索すると、
フロント用
武蔵オイルシール工業 オイルシールAD型 22×42×7mm 289円
93105-45017はモノタロウでは純正以外見つからず。
リア用
カワサキ純正 92049-0723 689円が使えそうかということで、全品10%OFFデーに乗じて発注。
 
フロントホイールを外すとなると、これまた長いことメンテナンスしていないステムベアリングのメンテナンスもやっておきたい。
かなり昔にグリスアップした時、ボールレースに打痕が出ていたが、グリスの入れ替えだけでごまかした記憶がある(笑)
 
リアもホイールを外すとなると、スプロケットとチェーンも交換すべきかと思うのだが…どうしようか迷う。
 
2024年7月23日
 
フォークオイルの交換インターバルが気になって調べてみると、複数の情報から5,000~10,000キロ走行毎、または1年毎などとなっているではないか。
本当にみんなそんな頻度で交換してるのだろうか。
 
自分のXSは、2022年6月に交換したきりであった。もっと最近の様な気がしていたが、2年以上経っていた。距離も7,000キロ以上走っていることに気付いた。
 
考えてみると、ステムベアリングも前回グリスアップしてから、何と18年位経っている。
 
…とか考えつつ、交換部品を揃えておきながら、作業に手をつけることなく8ヶ月以上も放置。
 
2025.01.13.
 
ステムベアリングのボトムレースを打ち込むのに特殊工具が必要。
とはいえ、そう滅多に使うことのない工具を買うのがもったいないと思い、考えたところ、内径30mmの適度なパイプがあれば代用できるのではないかと思いつく。
ネットで検索してみたが、都合のいいものが見つからず。
Aliexpressで探してみると簡単に見つかった。内径30mm、外径35mm、長さ245mm
のアルミパイプで、うってつけのサイズだ。しかも送料込み1,233円。
迷わず発注。


2025.01.22.
 
Aliexpressからアルミパイプが届いた。


強度的には充分な様子。
寸法はまだ測っていないので、何とも言えないが、使い物になりそう。
 
ホイールベアリングは今回最小のCM隙間を選んだが、購入後気になり調べたところ、一般的にバイクのホイールベアリングにはC3隙間が指定されている。隙間が少ないと、摩擦が増えて高温になりすぎるとか、そういうことが有り得るんだろうか?
さらに気になって調べる。CM隙間のベアリングをホイールベアリングに使用しても問題ないかをメーカーに問い合わせた人のブログを見ると、メーカーの方曰く、「どれでも問題ない」とのことなので、それを信用することにする。

2025.03.09.

72,541.3km

おもむろに作業開始。

まずはフロント周りほぼ全てを取り外す。

ハンドル、スピードメーター、タコメーター、ブレーキキャリパーなどは、完全に外してしまうと大変なので、上から吊り下げることにした。


ステムベアリングレースもボトムレース以外は想定より簡単に取り外せた。
ボトムレースの取り外しは想定通り、少々手こずった。

フロント周りを外さないとなかなか手の届かない、エンジンの前面フィン奥を清掃しておいた。

《続く》