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TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

花嫁の父

2018-03-10 14:15:44 | 日記
 結婚式によばれ、祝辞や歌をお願いされる事がある。親友や同級生だったころは、新郎新婦二人を祝福する歌を、後輩や部下達には、これからの人生の応援歌を歌ってきた。過日、娘が交際相手を連れてやってきた。結婚式の間中、心からの笑顔を振りまく新郎の父親の影で、笑顔の下に複雑な心を隠した新婦の父親達の姿が僕にだぶる。そんな僕は今、どんな歌を歌えるのだろう。
 昨年僕の親友が娘を送り出した。成人し離れて暮らす娘さんだった。結婚決まったと報告に来た時は『泣いたりしません。心配のタネでしたから、肩の荷が下りました。』といつもの彼であった。しかしクールに決めるはずの結婚式では、意に反し、いつの間にか頬を伝わる涙に驚き、あとは涙が止まらなかったと。
 結婚する娘に父が贈る歌はあるけれど、結婚する娘を送り出す父への歌をつくれないかな。小さい頃からの想いで綴り、生まれてきてくれてありがとう・・・じゃない歌。嬉しく、照れ臭い、けど言い表せない寂しさ、理不尽さ、後悔の歌。

涙のフィルター

輝く道へ 真っ白な道へ
そっと腰を押して 君を送り出す
下を向くとこぼれそうだから 前を向いて
前を向いて

君を失うその現実が受け入れられないのではなく
遠い昔のあの日の君と比べていただけです
自分の明日しか見る事が出来ない君と
置忘れた過去を何度も再生しているだけの僕

光に半分もいれてもらえずに
静かに 影となり 消えゆく僕は
眩しいもの見たら 心の暗闇で迷うから
迷うから

君の幸せを望んでいないわけではなく
それを願うほど 後悔ってやつが頭をもたげます
今も昔も降り注ぐ光の量は変わらないのに
セピア色の写真のようにしか想い出せないのです

愛した人達の声がする 魂に語りかける
わずかしか残り伝わらない遺伝子を嘆きつつ
それでも繋がる事への祝福を
それを越えてゆく君へ

白いドレスを真直ぐに見たくて
あふれるはずのない 涙のフィルター越しに
君を見てていいですか もう少し
君を見てていいですか もう少し
涙のフィルター越しに
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謹賀新年

2018-01-14 10:54:27 | 日記
 って、もう1月も中旬です。今年いちばんの寒波で指もココロも凍えながらの更新です。
 年明け早々、仕事が忙しくて、さらに躓きながら少しずつしか進まない事にイライラしています。
 今年初の本の紹介コーナーです。あらためて整理して見ると、ライブです前も、今もあまり読めていないなあ。

 先ずは、コミックス
 
 『ルーヴルの猫』松本大洋
   ルーヴルに住む猫達と職員のおはなし。
   この絵、このファンタジーに酔え!
   最近ルーヴル美術館は
   マンガやバンド・デシネとコラボ多いな。
   ニコラ・ド・クレシー『氷河期』
   エンキ・ビラル『ルーヴルの亡霊たち』もお勧めです。
   そろそろバンド・デシネも特集しますかね。

 『八雲百怪』大塚英志+森美夏
   北神伝綺、木島日記に続く民族学シリーズ。
   柳田國男、折口信男ときてラフカディオ・ハーンです。
   1・2巻は2009年初版。8年経っての3・4卷。
   年末の嬉しいプレゼントでした。
   1巻なんぞは小口黄ばんでます。

 『地底旅行』ジュール・ヴェルヌ+倉薗紀彦 
   テラ・インコグニタものの古典。
   当時の博物学をも取り込んだ
   ヴェルヌの大傑作の漫画化。
   月世界旅行、15少年漂流記、ああ甦る少年時代。

 『ソラニン』浅野いにお
   人生の落とし所に迷うさまざまな青春群像劇。
   2005年週間ヤングサンデーに連載され、
   2010年映画化もされました。
   新作加えた新装版見つけひさびさに一気読み。
   なんか涙出ました。
   同時に発売された自伝的?作品『零落』は
   ちょっと痛過ぎかな。

 『パン屋再襲撃』村上春樹+PMGL
   村上春樹をバンド・デシネで読むシリーズ。
   全9巻予定。
   またまたBD。大好きなBDについてはいずれ詳しく。
   絵的にというより、企画にひかれて。
   どんなシリーズになるんでしょう?
   という期待を込めて。


 
 続いて、こないだ整理したのに
 ベッド周辺でまた倒れそうなくらい積み上げられた本達から

 『大嘗祭』工藤 隆
   平成ももう直ぐ終わり、新たなる天皇の時代に。
   謎の多い儀式のルーツを探り、考察する。
   日本人のアイデンティーとは。
   『三種の神器』戸矢学も合わせ読みを。
   天皇がらみで、『応神天皇の正体』は関裕二さんの
   書籍では最近イチオシ。

 『陰陽師 蛍火の巻』夢枕 獏
   言わずと知れた安倍晴明モノの傑作。
   旅行のお供にいつも鞄に入ってます。
   そういえば『空海』って映画が中国で!制作された。
   原作は貘さんの『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』
   映画観る前に、もう一度司馬遼太郎の『空海の風景』と
   読み直さないと。

 『未必のマクベス』早瀬 耕
   久々のハードボイルド。
   救いようのない事しているのに、この切なさは何?
   ある意味ラブレターです。

 『イノセントデイズ』早見和真
   静かで壮絶なラスト。
   とにかく読んで、心震わせてください。

 『バビロンの架空園』『極楽鳥とカタツムリ』澁澤龍彦
   澁澤の著作からの編集モノ。入門としてどうぞ。
   どこから読んでも、いつ読んでも、青春時代の
   無能で無知に打ちひしがれている自分と逢えます。

 『珍奇な昆虫』山口 進
   ジャポニカ学習帳の表紙でお馴染みのカメラマンの
   冒険旅行紀、おたから写真集。
   昆虫学者です。子どものころの憧れです。
   もうひとつ、昆虫で
   『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎
   もおもしろい。
   
   
  
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バベルの塔

2017-10-16 16:31:18 | 日記
 ブリューゲルを見た。16世紀のブラバント公国の画家である。ボイマンス美術館所蔵の『小バベル』といわれる傑作である。住む人や、今まさにレンガを積み上げている様子が細密に画かれている。歪んだローマのコロッセオも思わせるバベルの塔である。大友克洋ならずとも想像力を刺激される何か力を感じる。
 旧約聖書のお話である。世界三大宗教の唯一神と人間のお話である。
 神は人を己に似せて作るも、悪魔にそそのかされ知恵をえた人間を楽園から追放した。さらに己をないがしろにし、意に添わない人間を洪水でリセットした。生き残った人々は力を合わせ、知恵を絞り、天高く聳える塔を作ろうとする。ノアの子孫達である。これがバベルの塔である。この行為は、神への憧れか?それとも反逆か? 神は知恵をえて、高い塔を作ろうとする人間をよしとせずに、一つの言語で統一されていた人々の言語を乱し、意思疎通を図れなくした。
 聖書に出てくる神様は時々ご無体をする。世界各地の各民族の神話に出てくる神様も自由奔放である事が多い。僕らが手を合わせる神様と少し趣が異なる?いえいえ、日本の神様にも祟り神もいれば、仏教として入ってきたインドの怒れる神もいて、普通に拝んでいる。聖書の神にだって、結婚式やお祭りごとに利用して手を合わせている。
 かくいう僕も無神論者と言う名の『神様大好き』人間である。神でも悪魔でも僕に言葉を操れる能力を少しでもいいから与えて欲しい。代償は左の腎臓でいいでしょう?
・・・何て言う物語をちゃっかり手に入れたりしているのだ。


悪魔とカウントダウン

悪魔に僕の魂売ってまで 手に入れたいモノがある
悪魔に僕の魂売ってまで 醜くもがくのか
神さえ信じないくせに

果たしてジフィリスは かのハイネの脳をスパークさせ
才能を昇華させ得たのか

昨日までの平穏で幸せな日々の暮らしが
突然何かを境に変わってしまう
モノの見方 見え方 優劣 優先順位
カウントダウンの中 警報が鳴り響く

ある方向にしか自然淘汰 進化出来なかった
第三のチンパンジーの脳が作り出した
ヒトの在り方 生き方 付加価値 多様な人生観
カウントダウンを不幸な僕らは楽しめるのか

悪魔に僕の魂売ってまで 何を残そうというのか
神さえ信じないくせに


僕の命を僕の超越者に それって神それとも悪魔
君の情熱を君の超越者に それって神イコール悪魔
委ねられたらどんなにどんなに楽でしょう
蔓バラに絡まれ自由意志奪われたまま

僕の大切なモノはひとつ減ったけど それを補う能力は
未だに生まれてこやしない

救ってくれない 無能装う神の優しさは
一体僕に何をもたらすのでしょう
たとえ救いがあるとして 誰かが噂してた
それは来世 それともあの世ですか

何かと引き換えの 小賢しい悪魔の囁きは
さらに僕に何を差し出せというのか
それでも不幸な僕らにこそ物語は必要だ
カウントダウンはもう誰にも止められない

悪魔に僕の魂売ってまで 見てみたい僕らのその先を
悪魔に僕の魂売ってまで 地の底を這いずり回って
悪魔に僕の魂売ってまで 生きてやる
物語を作るんだ



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観月

2017-10-02 16:09:30 | 日記
 今年も中秋の名月がやってきます。10月4日水曜日です!しかし国立天文台によるとその二日後が満月だそうです。『名月必ずしも満月ならず』ですか。名月すなわち旧暦の15日が、必ずしも月と太陽が地球を挟んで反対側に来るとは限らない事からこうなるのですが・・・そんな暦と天体の運行の微妙な計算上のズレなど気にせずに、お団子食べましょうよ。ダイエット中の僕は、宇田法皇をきどって詩歌、管弦を楽しみつつ酒を酌みませう。晴れるといいな。
 太陽系の惑星は地球以外は『○星』と名付けられています。そこに住む異星人達は、三島由紀夫の『美しい星』の家族のように『○星人(せいじん)』と呼ばれます。地球は異星人からは『地星』よよばれ、われわれは地球人ではなく、『地星人』と呼ばれてもよさそうなのに、今年50周年を迎えるウルトラセブンでも地球人と呼ばれています。
 さて月は地球の衛星なので、〜星はつきません。するとかぐや姫姉さんに端を発する、我々月の住人は地球人や異星人からなんと呼ばれているのでしょう?月の人、月人、星はつかないけど月星人?月星人はなんと読むの?つきほしびと、つきせいじん‥‥ 僕は自分を『げっせいじん』と称しております。何時の頃からかこう呼び倣わしてきたのです。ウルトラマンエースの南隊員は、月を滅ぼしたルナチクス打倒を目的に地球へ送り込まれた月星人であり、それを突然知らされた北斗隊員は「君はげっせいじん!」と叫んでおります。ちなみに28話『さよなら夕子よ、月の妹よ』の冒頭、中秋の名月にパトロールするTACのバックにはドビュッシーの月の光が流れておりました。


月光の詩

僕の中に 月がある
空の上から 見下ろすのではなく
僕の身体の ど真ん中
ポッカリと浮かんでいるのです

その満ち欠けで 心が満ち欠ける
想いや 憂いや 興味や 恐怖が
波のように 打ち寄せて
心のテトラポットを削ってゆく

月星人の僕は独り 誰にも見せない闇を持ち
ススキに隠れるフリをして  お月見してる


僕の中に 月がある
1969 覚えてるけど
そんなこととは関係もなく
臍の辺りかすかに輝いてる

誰も着陸していない 君には覗いて欲しい
恋や 悪意や 優しさや 寂しさが
隕石のように 打ち当たり
心の静かな海に 穴を穿つ

月星人の僕は独り 地球人に嵌り込んで
毒団子 喉につまらせて  お月見してる

月星人の僕は独り 日々の一歩は小さくて
月光の詩書きたくて とぼとぼ夜を歩いてる

僕の中に 月がある
月光の詩書きたくて・・・

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おすすめ本

2017-06-01 19:13:20 | 日記
 前回好評だった(?)おすすめ本の第2弾!!

まずはコミックス
 
『暗黒神話』諸星大二郎
  少年ジャンプの時代から、追っかけている作家の一人。
  今回、改訂豪華版出て再度読み直し。
  縄文が怖い、子供の頃の衝撃が蘇ります。
  手塚賞受賞作家ですが、SFというよりこういう伝奇物が秀逸です。
  稗田礼次二郎『妖怪ハンター』シリーズ、マッドメンもおすすめ。

『レインマン』星野之宣
  もう一人、手塚賞受賞作家。
  SF漫画は絵柄のリアリティーさで他を寄せ付けません。
  『ヤマタイカ』『宗像教授伝奇考』で伝奇的なものも。
  今回は脳のない超能力人間の話。
  彼らは天変地異を起こし、歴史を動かす。
  腎臓が一つのぼくには超能力はない。

『レベーション』山岸涼子
  リボン連載の『アラベスク』に心踊らせました。
  LaLaの『日出処の天子』でぼくを打ちのめした作家です。
  ジャンヌダルクを新しい解釈で描きます。

『幻想ギネコクラシー』沙村広明
  『無限の住人』の沙村さんですよ。
  救いようのない世界書かせたら一番です。

『ディザインズ』五十嵐大介
  マッドサイエンティストに生み出された
  人の顔もつカエルやヒョウ。
  殺戮兵器です。

続いて文字もの

『フンボルトの冒険』アンドレア・ウルフ
  プリニウス、ダーウィン、南方熊楠、荒俣 宏...
  ああなぜぼくはこの学問に進まなかったのか。
  18〜19世紀のドイツ人博物学者の伝記。

『イモータル』萩 耿介
  ヒンドゥー教の聖典「智慧の書」をめぐり
  色々な物語が交錯する
  死んだ兄と対話する哲学書
  おかげで哲学がマイブーム

『世界のすべての朝は』パスカル・キニャール
  熊本の小さな出版社「伽鹿舎」が出した
  ライブラリー版の綺麗な本を手にした。
  17世紀のフランスの頑固な音楽家を描く 
  古典的なお話
  日本の早逝した作家 伊藤計劃の『虐殺器官』
  のエピグラフにキニャールの言葉が
  ここで出会うとは
  
『天体嗜好症』稲垣足穂
  懐かしいこの本が文庫に。
  学生時代よく読んだなあ。
  ぼくの月好きの原点です。

『土偶のリアル』譽田亜紀子
  日本の土偶の物語。
  発見や国宝になる経緯はもちろん
  作者の視点からその存在理由まで。
  その視点が素敵だったりする。

『テンプル騎士団の聖戦』レイモンド・クーリー
  2005年『テンプル騎士団の古文書』でデビュー
  2010年の続編。なぜか読みかけのまま本棚に。
  なんとなく惹かれ続ける題材です。
  テンプル騎士団 (講談社学術文庫)も合わせよみ。


まだまだ読みかけの本が、枕元のテーブルから溢れそう。
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