TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

宮沢賢治に捧ぐ

2016-01-17 12:36:29 | 日記
もうすぐ大寒、家の中もひんやりしています。
うちのベッドサイドや、自分の部屋には読みかけの本が山積みになってるコーナーがあります。(読んでない本や、読み終わった本は基本的に廊下や押入れの本棚にあります。)ジェームス・ロリンズのΣフォースシリーズ、最近旧作含め出版の続く皆川博子、おなじみの夢枕漠や京極夏彦、博物学的なものから宗教関係まで今にも壊れそうに積み上げてあります。(時々崩壊しますが、笑)そんな中に必ず宮沢賢治が紛れ込んでいます。詩集を取り上げランダムに一つ声に出して読んだり、童話をぼんやり読み返したりするのがここんとこのお気に入りです。
子供の頃は天の川眺めるのが好きでした。そういえば最近見ないな、と空見上げても大分ぐらいの街でもよく見えないことに驚きます。数年前の夏に塚原で道路に寝転んで見上げた星空が最後かもしれません。流れ星がいっぱいでいつの間にか涙ぐんでました。
星空といえば宮沢賢治を連想してしまいます。子供の頃、賢治にはどこか暗く、怖いイメージがありました。作品の中にどこか死の匂いを感じていました。裕福な家庭に生まれたが貧しい農民のために働く姿に懺悔や使命感が強く感じられたこと、彼や愛した妹が夢半ばで若くして亡くなったことがわかるとよけいにそう思ったものでした。特に『銀河鉄道の夜』は怖かったな。
『銀河鉄道の夜』は、敬けんな仏教徒である賢治のキリスト教に影響された、彼なりの『メメント・モリ(死を思え)』だと思ってます。死の淵を覗いた僕は、ジョバンニのように銀河鉄道に乗って、自分の人生を客観的に眺めてみたいと年末から思い始めたのがきっかけで歌ができました。夏ライブではアレンジも固まってるはずです。
 
僕の人生が修羅ならば

愛だとか 友情だとか 簡単に 見つけては
距離感もわからずに やたら手を伸ばす
笑顔とか 麗しさとか 何となく 惑わされ
優しささえ見抜けぬまま いつか時は行く

誘惑に負け 肌重ね 求めあっても
柔らかい心を 自ら傷つける

僕の人生が修羅ならば 後悔だけを探すため
空の上から眺めてみたい カムパネルラ(*)聞きながら
銀河鉄道に乗って

豊かさと 贅沢と 違いも わからず
本物なんて知らないくせに 狂おしく求める

自己満足に酔いしれて 全てをごまかし
柔らかい心は 知らぬ間に傷ついた

僕の人生が修羅ならば 諦めたりしないから
空からそっと探してみたい 希望の星座たちを
シグナスからコールサックまで

憤りにまかせて 貧しさを振りまき
柔らかい心で 周りを傷つけて

僕の人生が修羅ならば 懺悔を歌に託して
暗い空から叫んでみたい 愛すべき者たちへ
今夜 銀河鉄道に乗って

I want to get on the Milky Way railroad tonight.


(*)カムパネルラ:Campanella、銀河鉄道の夜では、ジョバンニの友達。ここでは『鐘の音』の意味で。
コメント
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