これは月を絶対神と崇める男の話。太陽は崇める民に熱狂を求め、時にお隠れになり狂信者たちを怯えさせる。卑弥呼のようにその犠牲になったりもする。月にもエクリプスなどあるけれど、元々月単位で地球の影に出たり入ったりしているお方『この天文学的な奇跡をみよ!』などとは口が裂けてもおっしゃらない。彼はそこが気に入っている。潮の満ち引きほども彼の血潮は月に影響されてはいないくせに、月の明るい夜はその光を求めて彷徨うのである。夜通し追いかけて、夜明けの白み始めた空にぽっかり浮く月は飄々としている。ちょっと目を離すといなくなる。ある日は沈んでしまうのか消えてしまうのか気にやむ男を見下ろしている。
男は月の明かりを浴びると元気になると信じている。月夜にランニングするとパワーがみなぎると公言する。プラシーボだと陰口叩かれているのは気にならない。宗教とはそういうものだと思っている。月は追いかけても追いつかない。いくら引き離そうとしても追いかけてくる。この駆け引きが彼はお気に入りだ。いつしかそれは月とのランデブー、擬似恋愛ごときものとなる。月が彼女か、彼女が月か。ひと月前、彼の憧れの人が去っていった。現実の月は追いかけても追いつかない上に、追いかてはこなかった。月夜に闇が弾けて泣いた。見上げた空の満月の右頬に弾丸が刺さっていた。絶対神の初めて見せた慈悲なのであろうか?それにしては安っぽい絵柄である。今日男は満月に感謝の走りを敢行した。いつもより大きな満月!それを見上げた彼は目を見開いた。弾丸の痕は醜い痣(クレーター)になっていたのだ。目をこらすと無数の痣が見える。いったいどれくらいの闇を引き受けたのか。いったい彼の闇はどれくらいの数なのであろうか。そんなことお構いもなく、彼は月夜夢から覚めもせず、月光に過去を照らしてもらおうと考えている。
夜明けの月
世の中の仕組みの中で 一人もがいている
隣の見知った誰かも信じられず
深夜遠くで 車の苛立つ排気音
また誰かが誰かを裏切った
夢の中で指の間を 縫い付けたのに
守りたいモノから順に こぼれ落ちて行く
夜明けの月は 低く空に輝いて
さっきまで僕が犯していた罪を笑っている
昨日と今日の狭間で 一人もがいている
寝息立ててる人の顔が思い出せず
夜の街 ざわめきは どっか嘘っぽい
きっと誰かが誰かを裏切ってる
昨日までの親しそうなつくり笑顔が
見知らぬ人の顔で 嘲笑い こだまする
夜明けの月は じっと空に佇んで
これから僕に下るはずの罰を数えてる
意味のない 高笑い あるわけない 本当の愛
気づいたらもう誰もいないのに 月に映る歪んだ自分の想い
夢の中で指の間を 縫い付けたのに
守りたいモノから順に こぼれ落ちて行く
昨日までの親しそうなつくり笑顔が
見知らぬ人の顔で 嘲笑い こだまする
薄く滲んだ月は そっと空に消えながら
僕の犯そうとする罪を 僕の受けるだろう罰を
ただ見てるだけ
世の中の仕組みの中で 一人もがいている
隣の見知った誰かも信じられず
深夜遠くで 車の苛立つ排気音
また誰かが誰かを裏切った
夢の中で指の間を 縫い付けたのに
守りたいモノから順に こぼれ落ちて行く
夜明けの月は 低く空に輝いて
さっきまで僕が犯していた罪を笑っている
昨日と今日の狭間で 一人もがいている
寝息立ててる人の顔が思い出せず
夜の街 ざわめきは どっか嘘っぽい
きっと誰かが誰かを裏切ってる
昨日までの親しそうなつくり笑顔が
見知らぬ人の顔で 嘲笑い こだまする
夜明けの月は じっと空に佇んで
これから僕に下るはずの罰を数えてる
意味のない 高笑い あるわけない 本当の愛
気づいたらもう誰もいないのに 月に映る歪んだ自分の想い
夢の中で指の間を 縫い付けたのに
守りたいモノから順に こぼれ落ちて行く
昨日までの親しそうなつくり笑顔が
見知らぬ人の顔で 嘲笑い こだまする
薄く滲んだ月は そっと空に消えながら
僕の犯そうとする罪を 僕の受けるだろう罰を
ただ見てるだけ
男は月の明かりを浴びると元気になると信じている。月夜にランニングするとパワーがみなぎると公言する。プラシーボだと陰口叩かれているのは気にならない。宗教とはそういうものだと思っている。月は追いかけても追いつかない。いくら引き離そうとしても追いかけてくる。この駆け引きが彼はお気に入りだ。いつしかそれは月とのランデブー、擬似恋愛ごときものとなる。月が彼女か、彼女が月か。ひと月前、彼の憧れの人が去っていった。現実の月は追いかけても追いつかない上に、追いかてはこなかった。月夜に闇が弾けて泣いた。見上げた空の満月の右頬に弾丸が刺さっていた。絶対神の初めて見せた慈悲なのであろうか?それにしては安っぽい絵柄である。今日男は満月に感謝の走りを敢行した。いつもより大きな満月!それを見上げた彼は目を見開いた。弾丸の痕は醜い痣(クレーター)になっていたのだ。目をこらすと無数の痣が見える。いったいどれくらいの闇を引き受けたのか。いったい彼の闇はどれくらいの数なのであろうか。そんなことお構いもなく、彼は月夜夢から覚めもせず、月光に過去を照らしてもらおうと考えている。
ムーンライトランナー
いつものこの時間には真っ暗な
道の上に鮮やかな スーパームーン
常識で曇った目では見えない
あいつ クレーターさえ誇らしげに
追いついたと思えば 離れながら
息絶え絶えの俺をあざ笑う
争うことに疲れ 引き返す俺の
後ろ追いかけてくる ムーンライトランナー
お前がいつから 見える場所で
走っていたかも 忘れたけれど
シンパシー 心が震えたのは 始めから
息づかいさえ耳元で聞こえていた
きっと同じ道を走ってると信じてた
ずっと同じ道が続くと思ってた
少し角度のついた二つの道
お前だけは気づいていた 偽物のhonney moon
俺たちの熱い逢瀬は 人から見れば
お前の影に隠れる俺 エクリプス
クロスロードの先は 交わらぬ下り坂
暗闇に 足音も 聞こえない once in a blue moon
最後の登りで 体が悲鳴をあげる
いつもは気づかない月の視線
後ろで誰かと噂してる?
それは自惚れ 興味失ってる
どちらも嫌だから 振り向かずに
残された力で 思い出断ち切る
明るすぎる月 これさえあれば
お前との別れ 噛み締められたのか ムーンライトランナー
いつものこの時間には真っ暗な
道の上に鮮やかな スーパームーン
常識で曇った目では見えない
あいつ クレーターさえ誇らしげに
追いついたと思えば 離れながら
息絶え絶えの俺をあざ笑う
争うことに疲れ 引き返す俺の
後ろ追いかけてくる ムーンライトランナー
お前がいつから 見える場所で
走っていたかも 忘れたけれど
シンパシー 心が震えたのは 始めから
息づかいさえ耳元で聞こえていた
きっと同じ道を走ってると信じてた
ずっと同じ道が続くと思ってた
少し角度のついた二つの道
お前だけは気づいていた 偽物のhonney moon
俺たちの熱い逢瀬は 人から見れば
お前の影に隠れる俺 エクリプス
クロスロードの先は 交わらぬ下り坂
暗闇に 足音も 聞こえない once in a blue moon
最後の登りで 体が悲鳴をあげる
いつもは気づかない月の視線
後ろで誰かと噂してる?
それは自惚れ 興味失ってる
どちらも嫌だから 振り向かずに
残された力で 思い出断ち切る
明るすぎる月 これさえあれば
お前との別れ 噛み締められたのか ムーンライトランナー