TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

眠れない夜

2016-04-13 07:07:57 | 日記
 桜の花は中途半端に残り、道に張り付いた花弁が無残です。皆さんの春は進んでいますか?
 昨日ペットCTに行ってきました。約4時間缶詰めでの検査は疲れました。結果は来週の診察で。人間の脳の『嫌なこと』ブロック機能のおかげで、日頃は能天気にも病気のこと忘れて生きています。しかしことあるごとに起こる腹痛や、傷周囲のしびれで気持ちは一気に凹みます。検査結果を待つ日々も寝付きが悪く、気分の冴えないことが多いのです。
 こんな時に見る夢は…

 ある日突然癌を宣告された。年老いた母が目の前で泣き崩れる。
『なんで健康に気をつけなかったの?』
そんな母を見下ろしながら、ぼんやり思う。健康って人よりゆっくり、死に近づいてる状態のことだって言ったの誰だっけ?
『あなたも今日から、科学から神への信仰へ切り替えなさい。』いつもやさしい母の胸に抱かれた。母の名前はマリア?
 フレンチ・ブルドック号から、マリア像のペンダントを握りしめ、初めて見るサン・クリストバル島へ上陸だ。ゆっくり流れる時間、ゆっくり動くゾウガメ、ゆっくり訪れる死。ネズミの寿命短いのは、心臓が早く鼓動するからだとしたら、僕は今興奮でドキドキしながら寿命を縮めているんだなあ。今回の夏休みの自由研究対象は、人間より寿命の長いゾウガメの死因です。
『最近は人間、特に日本人の持ち込んだ、ローソンのレジ袋を飲み込んでしまって死ぬ個体が多いんですよ』と、僕の国籍確認するかのようにじろじろ眺めながら、現地レンジャーが言った。喉に乾きを覚え、レジ袋からこっそりミネラルウォーターを取り出す。そもそもダーウィンより長生きのゾウガメたち自身が唱えた進化論は図書館にあったかな?
 木漏れ日がちらちらする窓際の席がお気に入りである。いつもニコニコ対応してくれる図書館司書に、とびきりの笑顔をくれてやり、そのお返しに(と勝手に思ってるだけ)進化論のコーナーを教わり、ダーウィンやラマルクの本を抱えて腰を下ろした。すぐさま人に見つからないように本を立てて、その影でこっそりプラナリア切っています。切っても切っても増えて行きます。切る前の最初の個体の寿命って何年?増えた奴らはどれくらい生きれるの?あっ!全部消えちゃった。図書館にいたのは、進化論落とした再試験前の僕のはずだったのに。誰かが科学チャンネルの局をデリートしたのか。暗転。
 コールドスリープから目が覚めた、ぼんやりと見え始めたのは、手塚治虫の漫画で見たような銀色の服の人達。
『生体反応が戻ってきました。』
『クマムシのクリプトビオシスなんて真似たこんな稚拙な装置でよく何世紀も生き延びたもんだ!』
『おい!目をあけるぞ!』
眉毛もまつげも当然髪の毛もない、進化した人が作り笑顔で言った。
『もう大丈夫です。この時代ではあなたの病は克服されています。』
さあ知らない人達の住む世界で僕の新しい人生が始まる。



みはてぬユメ

なんだか寝付けずに 夜更けに起き出した
隣りのかすかな寝息は 昨日僕らが生きたあかし
換気扇から逃げ出そうとする 繋ぎとめたかった想い
磨りガラス越しの光の散乱 遠くを走る車の音
肌寄せ合った温もりも どこか僕らには空々しくて
どこまで突き進むのか 暗闇に倒れてしまうまで

もう少し眠らなきゃと ベッドに潜り込む
なんで今? なんで君? なんで僕? おきまりの目眩がする 
自分すら信じられなくて 世界を信じられるわけもなく
誰かにコントロールされている 自分であって欲しい思う
心の闇が少し広がって 僕らの夜はまだ続いて行く
気持ちが望んでいた物は 体は望んでいなかった

天井から見下ろしている 黒い影
体腔から覗いてる者 どれも自分

クスリで浅い眠りが訪れ とぎれとぎれのユメを見た
こんな時見るユメって 何故辛いユメばかりなのか?
世の中の浮かれた明るい未来って ユメにもやってこない
今日ユメで愛した人が 明日の朝ここを去ってゆく

ホントは もう街へでなきゃならない朝がやってきたのに
もう少し背中丸めて 胎児のような『夢』を見る
なんだか寝付けずに 夜更けに起き出した
コメント
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