TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

奇妙な花

2020-11-17 07:45:58 | ライブ情報
 今年はブロメリたちが多く花をつけた。気温が10度を下回ることが出てきたので、ベランダから家の中へ引っ越したが、まだ花をつけているものがある。何年に一回かの当たり年である。花が咲くと多くの種類は、親株の横から子株が顔をだす。そして親株は勢いを失ってゆくのである。もちろん種も残し、命は続いてゆく。花はこういった生命連鎖の始まりの合図だ。
 学生の頃、男だらけの集まりがあった。同じ音楽を聴き、本を読み、拙い文章を書き、酒を飲んで笑った。そんな集団にある日、綺麗な女子が加わった。平和だった集団はざわつき始める。その子に気に入られようとして。誰かより先に行こうと焦りが生まれ、お互いを疑い始めた。結局は集団以外の彼ができて、その子はあっさりといなくなった。残された僕らはもう以前のようには笑えなくなった。

Monster Flower

昨日 街のあちこちに 見たこともない花が咲いた
細い葉をつけた茎を少しづつ伸ばし
去年は土の中で耐え 今年初めて蕾をつけた
街中は『幸せの訪れ』だと 浮き足立った
君はいつから僕の中に入ってきたのか
独りで完結した世界が壊れるとは
清楚なイメージの下の強い自殖性
僕はこの花を 疑ってた

昨日 街中一斉に 音も立てず蕾は開いた
花弁の中優しく濡れ 気づいた僕を見下ろし
昔テレビドラマで見たモンスターフラワーのように
ちょっと静かに不気味で どこか暖かく懐かしく
嫌いだった君の匂い 認めたくなかった想い
今ではそれ無しではこの世界も僕も無だ
惚れた目で見りゃ痘痕も笑窪 なんてよく言ったね
僕はこの花をどっか信じてなかった

今日 花は栄華の途中 あっけなくぽとりと落ちた
庭先 道端 いたるところに白い花が転がった
醜く腐ってゆくのに時間はいらなかった
遠くで誰かのすすり泣く声がする
君が誰かと歩くのを見たのはいつのこと 本当のこと?
見たこともない笑顔で 聞いたこともない言葉を
異常に暑い日差しに負けて下を向くと 
異星人のような小さな緑の頭をして ぬっと佇んでいた
翼はないけど 心軽く どこまでも飛んで行ける
来年はきっと ここには咲かないはずだ

コメント
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