徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

岩宮武二展へ

2010-01-13 | 写真に関するお話




大阪府立現代美術センターで開催されている
岩宮武二展へいってまいりました。

岩宮武二さんと言えば
大阪芸術大学写真学科の教授であった岩宮先生の事。
1989年にお亡くなりになっており
私はもちろん、
Takayukiもお会いしたことがありません。
しかし
大阪芸大出身の友人達の間では
未だに会話によく登場する先生です。

実は私は・・・
お名前を知っているだけで作品を知りません。
なので
“伝説の岩宮先生”を知る事ができると
本展を楽しみにしていました。

会場は
ゼラチンシルバープリントで仕上げた“佐渡を見つめる”シリーズと
“もうひとつの世界”と題した作品群で構成されていました。

佐渡シリーズは1950年代に
佐渡島に生きる人々の生活文化を写し撮った作品です。
「島国の純朴な人たちに逢い、日本の暮らしの原点を実感しようとした。」
との制作コメントでした。

“もうひとつの世界”の展示室には
絵画・シルクスクリーン・書・水墨・CG・陶板など、
写真というジャンルにとらわれることなく
様々な技法・素材を用いた作品が展示されていました。
展示作品についての解説には
写真家として常に「見つめる」視点で世界を写してきた岩宮が
自ら作り上げたもうひとつの世界。
本展では、ひとつの手段にとどまることなく
様々な表現に挑戦し続けてきた岩宮武二の側面をご覧下さい。
という紹介文がありました。

この紹介文のフレーズ、
私たち徳永写真美術研究所が掲げている設立主旨と
まったく同じではないですか!
ちょうど現在
来期の写真塾のパンフレットを作成していて、
このフレーズを使っています。
びっくりしました。

硬派な写真道を歩まれた写真家なのだろうと
勝手に想像していた私の岩宮像が
私自身がリアルに共感できる
人物像であったことに感銘を受けました。



Yoshie

岩宮武二展は1月22日まで開催しています。
会場は大阪府庁内の大阪府立現代美術センターです。