みそ汁はたまご入り

群馬の山奥・通称ムーミン谷に住んでいる プライベーターラリーストのライブログ

保存版:「そうだったのか!☆のひろしの学べるACD」

2011-02-16 09:40:07 | たまご足オリジナルダンパー

Img_1485072_61552269_3

最近ACDについての問い合わせが多いので

以前ACDについて説明した物が有ったので

ここで紹介します。

-------------

さてご質問の件ですが

中略

ACDは良く誤解されている方がいるのですが
前後のトルク配分をするわけでは有りません。
LSDの機構も有りません。

ノーマルのオープンデフに油圧を架けてイニシャルを架けているだけです。
ですのでアクティブセンターデフとはセンターデフのイニシャルを強くするか
弱くするかを状況によって変化させている制御です。

ノーマルはセンターデフが動いてドライバーに違和感を感じさせないように
非常に弱くゆっくりとしか動きません。

最大弱を0%として最大強を100%とすれば 20~70%の間で
動いている位です(あくまでイメージです)

ラリーアートは従来の機械式のセンターデフのイメージを踏襲して
ドライバーに乗りやすさを感じさせる為に60~90%で動かしています。
作動スピードもノーマルよりは速く作動するようになっていますが
ドライバーが急な挙動変化を嫌がらないように作動スピードも抑えています。

一言でいうとラリーアートは全体的にデフが効いています。

ACDの動きとして

①進入のブルブレーキングでは
 拘束力を100%にして減速させる(挙動も安定させる)

②ブレーキングを残しながらターンインの体制に入る時(Gセンサー
 ステア蛇角、車輪速センサー、ブレーキ等から総合的に判定して)は
 センターの拘束を緩めて車を旋回しやすくさせます!

③ターンインが終わってドライバーがアクセルを開けて行ったら
 デフの拘束を上げながらアンダー&オーバー判定を繰り返して
 拘束を変化させます。

④完全に立ち上がり体制になったと各センサー類から総合的に判定したら
 拘束力を上げてトラクションを架ける。
 そのまま加速体制に入ったらデフの拘束を緩めていき走行抵抗を
 無くしていく

簡単に言うとこのような動きをします、その中で最大限アクティブデフの
効果が上がる用に0%~100%まで拘束力を変化させ作動スピードを
最大限に上げた物が競技用としては理想です。

中略

ACDのポイントは極力拘束を弱くしてピンポイントで拘束力が
必要な箇所だけ強くすると言う点です。

ですのでラリアートなどから比べると挙動が変化しすぎて
戸惑うと思います。

特に進入などはかなり拘束を弱くしてあるので、曲がりすぎて
怖いという人もいます。

また、アクセルを抜くとすぐに拘束が弱くなりますので
アクセルを踏んでいることがポイントです。

アクセルを踏んでいればACDが常に制御してくれるので
面白いように曲がりながら加速していくと思います。

1番違うのがここでコーナーリング中にアンダーオーバー判定を
繰り返して瞬時に制御させている箇所です。

一般的にコーナーリング中に前後のタイヤのスリップ量(スライド量含)を
感知してフロントの流れる量が多ければアンダー判定として拘束を弱くします。
リアの流れる量が多ければオーバー判定として拘束を強くします。

コーナーリング中にこの制御を瞬時に行うことにより
ハンドルを切ったまま曲がりながら加速出来るんです。

または大きいドリフトアングルを付けなくてもハンドルと切ったままの
4輪ドリフトで高いコーナーリングスピードを維持出来るんです。

これがACD付き車がタイムが出る理由です。

但し唯一の弱点が市販品のアクティブセンターデフの為
油圧で制御している為、油圧が掛かるまでのラグが有ります。

どのACDECUでもそれは同じですが特にたまご入りACDは
アクセルを抜くと急に油圧が落ちてしまします。
そうするとまたアクセルを踏んでも油圧が掛かるのに
ラグが生じるので動きが乱れます。

ですのでアクセルをなるべく抜かないで我慢する必要が有ります。

きちんと進入で荷重移動が出来ていれば

コーナーリング中に曲がらなくなっても(アンダーが出ても)

アクセルを踏んでいれば曲がり出しますので
我慢して踏んでいて下さい(笑)

なので昔のドライバーの用にアクセルをコントロールしたり
車を自分から動かしてしまうと余計車の挙動が乱れます!

基本アクセルを踏めるドライバーならたまご入りACDを使いこなせると
思います。

もちろんフェイントやドリフトを多用しても問題は有りませんが
慣れてくるとフェイントをかけなくても進入で曲がるようになるし
大きなアングルを付けなくてもどんどん曲がって行くように
なると思います。

もうお判りかと思いますが、ACDとエンジンECUはセットで考えています。

エンジン特性を低回転からトルクを出してフラットな特性にすることにより
より長い間アクセルを踏んでいられるのでACDの制御がより生かせるのです。

特にN車は結局はパワーは有りませんからデフの走行抵抗を弱くすることが
非常に有効です。

ACDを使ってスムースに走らせることがタイムを出す秘訣だと思います。

よろしくお願いします。

-------------

中略

よくACDは誰でも速く走れるとか!

初心者の運転が有っている!
などと言う人がいますが
全くの逆です!

ACDはあくまでドライバーの操作の補助をしてくれるだけです。
ドライバーが主でACDが従です!

ドライバーが基本通りの操作、しっかりとした加重移動が出来なければ
ACDはなんのアシストも出来ません!

基本通りにスローインファーストアウト、ブレーキを残したまま
早めに荷重移動してアクセルオン、そのままアクセルを踏んだままで
コーナーを抜けられないドライバーにはたまご入りACDは使いこなせません!

ACDを使用したコメントを聞けばそのドライバーの運転の仕方
技量がすぐに判ります!

速くてアクセルを抜かない人ほどたまご入りACDを高評価します!

進入が速くて突っ込み過ぎる人、コーナーリング中にアクセルを
抜く人はたまご入りACDは使いこなせません!

○○さんのコメントを聞いていれば、基本通りの正確なドライビングを
しているのが良く判ります!

サスペンションも、ACD(デフ)もエンジンも全て
ドライバーが安心してアクセルを踏んでコーナーを抜けられるように
セットアップするのがたまご入りチューンです!

以下略

冒頭の写真はG23さんのブログから勝手に拝借しました!

G23さんのブログ

事後報告ですいません。問題有れば削除しますので言って下さい。

この写真の動きがACDの理想的はコーナーリングだと

思いますので使わせて頂きました!

上の説明文にあった

>または大きいドリフトアングルを付けなくてもハンドルと切ったままの
>4輪ドリフトで高いコーナーリングスピードを維持出来るんです。

と言うのがこの写真の状態ですね