朝、遠くで雷が鳴った。
青かった空がどんどん白くなってきて、午前8時過ぎに、雨が降り出した。
洗濯物を取り入れた後、何だか一仕事終えたような気分になり、扇風機をぶんぶん回しながらソファの上でぼんやりしていた。モノクロの雲を眺めていたら、分厚い空の向こうで雷が一度だけ鳴った。
遠い雷は、本当に太鼓のような音がした。幾つかの音が重なり、モノクロの空が揺れたように見えた。
また鳴らないかなと耳を澄ませていたけれど、それきりだった。
地球の鳴らす音には風音や波音など色々なものがあるけれど、一度だけの雷鳴。なかなかやるな、と何目線だか分からない感想を抱いた。
あんな音を一度だけとは、何と贅沢な地球の咳払いかと。これが豊かと言うものかなと、しみじみと思った。
地球にしか出せない音をその時聞かせてもらったことは、嬉しいような気がした。落ちたら大変だけれどね。
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