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『バイオレント・ナイト』…奥ゆかしき、赦しのセンス

2023-02-08 23:20:08 | 映画-は行

 立春に世間も沸き立つこの2月に、クリスマス映画ってどういう事?

 半分いぶかしがり、半分わくわくして、観に行った。

 

 これが、面白かった!

 

 話の筋は、

 「腑抜け親父キャラのサンタクロースが、とある大富豪の家にプレゼントを配りに立ち寄ると、なんと家は極悪強盗団に占拠され、家族は人質となっていた!」

 そして始まる、バイオレンス・アクション。

 そこに至るまでの描写も、既に相当面白い。

 

 R15指定なので子供は見ちゃいけないんですが、よく分かりました。「大人の悪趣味」を理解しないお子様は見たらいけないんですね。(たぶん)

 

 いやー、でもねぇー、何と言うか。

 素晴らしい。これは中々出来る芸当ではないのでは。この絶妙なバランスというか、ギトギトの愚痴りに、思わず眉をひそめる「あ、イタタタ」シーンも、その疾走感と笑いで目を離せない。しかもこれが、いい話なんですよ…。(泣)

 こんなバカバカしい暴力、わざわざ映画にしなくってもよいんじゃないの?と思う人もいるかもしれないけど、多分仕方ないのだ。

 だってそうしなかったら、ただのめっちゃいい話になってしまうから。

 だって大人だから…。クリスマスもサンタクロースもこそばゆいから。

 

 

 サンタクロースの不思議、①袋、②煙突、③その誕生と死なないこと(長生き)。これらへの言及の仕方にもグッと来た。

 説教臭くないけどアホくさくもない。グロいけど、愛しさに溢れている。色んなものをブレンドして、「サンタなんて信じてねーよっ」と高らかに宣言する小学生を前に、「ホッホッホッホ」(うちら信じてるんすよ、の意)と笑ってもいいんだ、と思わせる赦しのセンスに脱帽である。

 

 まじグッと来た。グッと来たので、毎年クリスマス・イヴには是非この映画を見て、ゲラゲラ笑い、そして心を垢を洗われたい。

 2月公開っていうのも、こうなって来ると、奥ゆかしさという美徳のように感じられてくるのだ。(本国アメリカでは12月公開だそう)

 

 

 そうそう、主演のデビッド・ハーバーが本当にはまり役で良かったけど、もう二十年前だったら、ブルース・ウィリスがやっていたかもしれないなあ。

 あと『ホームアローン』ね。大分痛さ増しだけども(汗)

 もう一つ。「クリスマス映画」じゃなくて、「サンタクロース映画」だったね。

 

 

 『バイオレント・ナイト』、トミー・ウィルコラ監督、2022年、112分、米。原題は、『Violent Night』。デビッド・ハーバー、ジョン・レグイザモ。

※なんと続編製作が決定したそう。これは楽しみ!

 

サンタの存在を信じていたのは、前列右の二人だけ。↓(うち一人は本人)

「子供なんてみなジャンキー」と嘯きながら、Amazonに負けじとプレゼントを配るリアルサンタ↓(闘いの後)

ちなみに、英エンパイア紙が選んだ「クリスマス映画の中の最高のサンタを演じた俳優10人」の第四位に、デビッド・ハーバーが今作で選ばれています。なんと!

10人はこちら↓(映画.com)

https://eiga.com/news/20221224/13/

 

 



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