『スーパーノヴァ』、ハリー・マックィーン監督、2020年、95分、イギリス。原題は、『Supernova』。
コリン・ファース、スタンリー・トゥッチ。
AmazonPrimeにて。
人が人生を生きるとは、どういう事か。人が人を愛するとはどういう事か。人が人を必要とするとはどういう事か。「命」とは何か。とても考えさせられる映画だった。
説明のための描写はほぼ見られず、二人の名優(そして実際の古い親友でもある)が日を繋いで行く様子を、淡々と観るだけである。
それなのに、次第に気がついて行く。
差し迫った状況とユーモア。絶望と愛情。思考と希望。エゴと宇宙の星々。ウィット。団欒。孤独。
イギリス湖水地方の美しく雄大な景色も、何だか目に入らなくなって来る。
病により、記憶と認識能力、身体能力をも失いつつあるタッカーは、「世界は驚異で満ちている。人がそれに気がつかないだけだ。だから質問をやめちゃいけない。」と少女に語りかける。
スーパーノヴァ。超新星について、目を輝かせて少女に語るタッカーと、暗い芝生の上に一人横たわり、虚空を見つめるサム。
人は死んで宇宙の塵になるのではなく、今この瞬間すでに宇宙の塵なのかもしれない。
いやむしろ、そうだったらよいのに。ぎりぎりの決断を突きつけられて、泣きわめきたいのは観ている私だ。彼らはそんな事しないけれど。
無言の余韻がいつまでも頭を離れなくて、思わず文句を言いたくなってしまう程だった。もっと何か言ってくれ、と映画に言いたくなってしまう程だった。
タッカーが好きな曲。↓(ピアニストのサムが)この曲を弾いてくれないと言う。
愛の挨拶(Elgar:Salut d'amour)名曲アルバムより
タッカー(トゥッチ)とサム(ファース)↓
古いキャンピングカーで旅に出る。↓行き先はサムの実家。
コピーは「世界で一番美しい、愛が終わる。」↓本当に美しかったけど、胸がつぶれた。
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