tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅』

2013-09-30 20:11:18 | 映画-さ行
 世界一美しい本って、どんな本だろう。と思い、観に行く。
 残念なのは、美しい本は映像では伝わりづらいということだ。手触りや、匂い。シュタイデル社のゲルハルト・シュタイデルさんは何度も何度も紙を手に取りそう言うけれど、客席ではよく分からない。

 でもシュタイデルさんの情熱は伝わる。
 昨日『スティーブ・ジョブス 1995』というインタヴュー・ドキュメンタリー(?)を観たけれど、シュタイデルさんと同様、情熱がすごい。情熱、魂、ビジョン、欲望。などなど。

 シンプルな欲望は、そこへ至るまでの複雑な道のりを、深く深く水の底に沈めるようだ。数えきれないメッセージを喚起して、そこに浮いている。

 映画を観るのも、ご飯を食べるのも、何かのための手段なんだけれど、何のための手段なんだか時々分からなくなる。
 私は目配せが多すぎる気がする。
 偉人は偉人だ。
 少なくとも私ではない。

 ゲレオン・ベツェル、ヨルグ・アドルフ監督、2010年、ドイツ。


               

   

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