釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

9. 『『山深く こもりて響く風の音・・・』

2011-08-05 09:05:32 | 釋超空の短歌
『山深く こもりて響く風の音。夜の久しさを堪えなむと思ふ』
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民俗学者でもあった釋超空(折口信夫)は日本各地を訪ね歩いたそうだ。
このうたは、どこかの人知れぬ山里の宿でのうたかも知れない。

ふと眼を覚めると、どこからか風の音が低く聞こえてくる。
その音を聞くともなく聞きながら、作者は「夜の久しさを堪えなむと思ふ」。

作者はなにを堪えるのだろう?
作者の「孤独」はなんだろう?

生きること?  そうかも知れない。

この作者の言い知れぬ「孤独」は・・・わたしたちの「孤独」かも知れない。

生きるということは、このように、言い知れぬ「孤独」に耐えることでもあると言えるような気が私はする。