釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

15. 『山々をわたりて 人は老いにけり・・・』

2011-08-11 07:28:20 | 釋超空の短歌
『 山々をわたりて、人は老いにけり。
   山のさびしさを われに聞かせつ 』
***
作者が山道を歩いていると、向こうから来る老人と出会った。
今日、この山道で会ったのは、この老人だけであった。

この老人とすれ違うとき、なにがしかの声をかけあった。
その、つかの間の会話から作者はこの老人の人生の本質を見抜いた。

(思うに、この世の巷の会話なるものの、ほとんど全ては無意味な饒舌に過ぎない。
有っても無くて同然の屑と言える。真なる会話は、即ち、終生忘れ得ぬ会話は畢竟その長さとは無縁である)

老人の言う「山のさびしさ」とは何だろう?

それは恐らくこう言えるだろう。

「巷の生活の空虚さ」の全ての意味での裏返し・・・つまり「山のさびしさ」とは人生の豊潤さに他ならない。