授業なんて○○だ!変な教師の成功仕事術

学校の常識とは違う事いっぱいだけど、すべて筆者の成功体験からの仕事術ばかり。変な教師なので、信じなくていいですよ。

算数指導は教科書を使っちゃダメなの?

2018-07-03 18:57:14 | 算数
30年ほど前からかな?問題解決学習と言う指導法が日本の小学校で流行り始めました。

教科書をしまわせ、問題を1問だけだし、それを子供たちに自分の解き方で解かせ、その解き方の考え方をノートに欠かせ、発表し、話し合わせると言う授業です。

この授業では、大抵1時間に1問しか問題をやりません。できる子や塾に通っている子は、すぐに式と答えを出します。そして教師に考え方も書きなさいと言われ困ってしまうのです。

勉強が算数が苦手な子たちは、そもそも自分で考えることが苦手なので、その自力解決の20分ほどの時間は、教科書も見ることが出来ず、わからないまま、いたずらしたり、机につっぷしたりして過ごすことになります。

できた子たちは教師に言われて、自分の考え方を大きな紙や小黒板に書き黒板に貼り出します。そして比較検討という時間に、自分の考えを発表します。

しかし、多くの場合、発表の仕方を学んでいないので、ぐだぐだと長い説明になったり、なんて言えばいいかわからず、困ってしまう子も多々あります。

そして説明後、大抵「質問はありますか」と他の子たちに聞きます。発表しない子たちは考え方がわからず意味もわかっていないので、どう質問していいかもわからない状態のままです。

また、質問があっても、発表する子は塾などで式と答えを教わっただけなので、答えに詰まってしまう事が多いです。

そして説明不足や質問の答えを、結局教師が補って説明してしまうのです。

子ども達の話し合いで1つにまとまれば良いのですが、大抵うまくいかず、時間もなくなり、教師がまとめてしまいます。

1時間の授業の中で、1つの問題を45分かけて考え、その1問で授業が終わってしまいます。時間オーバーも多々あります。

たった一問だけで、子どもは解き方が理解できるでしょうか。しかし、この授業の中では、ほとんど練習問題を行わず、習熟出来ずに終わってしまいます。

結果、練習問題やドリルは、宿題やドリルタイムなどに回されます。

これが、僕の見てきた、また恥ずかしながら、僕が昔やっていたので算数の問題解決学習です。

こういった算数の問題解決型の授業が、日本中で、ずっと行われていました。

この指導法は、本当に小学生の子供たちに力をつける教え方なのでしょうか?

そもそも、問題解決学習のやり方は、100年以上前に、アメリカの教育学者、ジョン・デューイが大学に設立した実験学校で、社会科で行われた指導法です。難しい問題に対して、沢山の知識を蓄積の中から、様々な考えを発表しあい、議論して、1つの解決法を導き出していくと言う手法なのです。

まだ基礎的なことを学んでいる途中の小学生の子供たちが、予備知識なしで、自分から考えて、それを図示や文章化して、話し合わせて1つのより良い考え方にまとめていく、というのはできることなのでしょうか?

新しい考え方やアイデアと言うのは自分の中に蓄積されている様々な知識の結合、組み合わせ、ひらめきで起こるはずです。

知識量の少ない小学生に学んでいない問題の解決を望むのは難しいことだと思います。

本来の問題解決学習では、多様な考えを出し合います。しかし、小学校では教師があらかじめ子どもたちから出てくるであろう考え方を予想しておきます。

教師が予想しておく時点で、本来の問題解決学習とは言えません。

小学校での本来の問題解決学習は理想論であり、実際にはかなり無理のある指導法だと思います。

心ある教師たちは、小学校の問題解決学習の、矛盾やおかしなところに気づき、小学生にあった教え方を、模索してきました。

例えば、発表の仕方を、形を作り、その順番で言わせる。、例えば本時に関わる今まで習ったこと(既習事項)を最初に復習してから、授業始めるなどです。

しかし、そもそも教科書があるのです。教科書会社の沢山の専門家が執筆し、調整し合い、文科省の検定を通った教科書が。

教科書を使うことは、法令でも定められています。教科書をしまいなさいと言う時点で、法令違反だと思います。

小学校で問題解決学習をやらなくとも、教科書通り指導していけば、子どもたちは算数の力をつけていきます。

長い記事になってしまいました。教科書を使った子どもに算数の力をつける指導法については、また別の機会に。