前の職場の生石地区に葬祭場ができた。
その施設の東側道路は通学路に指定されていたのだが、朝は車の抜け道として利用されていて子供たちにとっては難所の一つになっていた。
いわゆる通学路危険区域だ。
毎朝、ここに立っていただいている地域の見守りの人たちからは、何とかならないかという話が出ていた。
そして、この通学路に隣接する土地が売却され、葬祭場ができるという。
地区の交通安全協会の役員の人たちからは、地域の勉強会で「通学路」をテーマに取り上げていたこともあり、何とかしたいと支所に相談があった。
内容は隣接する部分を通学路として提供していただき道路と隔離したいというのだ。
そこで、ダメもとでいいからみんなでお願いに行きましょうということになった。
まず、学校と話をしましょうということになり、私が校長先生にお話に行く。
ただ、施設の一部を通学路に提供してくれというのは利益にも絡むのでは難しいのではないかと心配もされていた。
だが、とってもいい話なのでぜひ実現してほしいとお願いされたので、メンバーを決め、相手側につなぎを付けた。
お願いに行くと、正直、相手は構えておられた。
迷惑施設というイメージがあるので、内心は心配されたのではないか。
事前に大方の話はしておいたので、この件については好意的なお答えをいただいた。
これ以外にはないかというようなことを聴かれたので、これだけですと答えると、ほっとした様子だった。
私たちにとっては大収穫だった。
何よりも地域の様々な人たちがスクラムを組めば実現できるという自信につながった。
そして、今日、そのことに対して市長から企業の代表に感謝状が贈られた。
私はすべて行政がする必要はないと思う。
自分でできることは自分でする。
仲間と助け合ってできることは仲間とする。
行政改革を担当するにあたって、上杉鷹山や山田方谷の本から学んだことだ。
そして、企業にはCSR活動という社会貢献活動がある。
企業が本気を出せば地域にさまざまな貢献ができる。
トップがやるとさえ言っていただければできるのである。
利益確保も大事だが「会社」を反対にすれば「社会」である。
今回の感謝状は小さなことかもしれないが、少なくても会社の風土としてCSR活動の重要性が根付けばありがたい。
そして、今回の件が地域の他の企業の模範になることだろう。
そういう意味からも市長表彰になったのは意義深いと思う。