風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
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比歌句 その八 西

2018年03月07日 | 和歌

忘れめや葵(あふひ)を草に引きむすび仮寝の野べの露のあけぼの  式子内親王

新古今集

この歌は、「忘れめや(どうして忘れるものですか)」と誰かに応えている。「葵(の花だろうか)を草と結んで枕にして仮寝をした。そして、露に濡れた夜明けだという。この時に「忘れめや」と応えた人と思い出を共有しているように思える。「草枕」という枕詞への思いが深まる歌だ。

式子内親王は、自分の大切な誰かを思っているのだろうが、時空を超えて赤人と心が通い合っているように思えてならない。