風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
比べて面白い 比べて響き合う 比べて新しい発見がある

比歌句 その八 北

2018年03月09日 | 和歌

山原のほほけ茅花(つばな)のうちなびき乱るる中にころぶしにけり  古泉 千樫(こいずみ ちかし)

「川のほとり」 大正14年(1925年)刊

「山の原っぱで綿毛が毛羽立った茅花(ツバナ、チガヤ)が群がり咲いている中に寝転んだ。」ということだ。

なつかしいとか、気持ちが解放されるとか、言葉で表されていない感情が「ころぶしにけり」に込められている。