風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
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願はくは 西行 (比歌句 17 右)

2018年03月28日 | 和歌

願はくは花の下にて春死なむその如月(きさらぎ)の望月(もちづき)のころ 西行(さいぎょう)

 

お釈迦様の入寂が太陽太陰暦(旧暦)の二月十五日とされている。暦を西暦に換算すれば、三月下旬(若しくは四月初旬)の満月の日ということになる。お釈迦様は、沙羅双樹の花の下で亡くなられた。

この歌で、西行は桜の木の下(しかも、花が満開の時期に)で死にたいという願望を述べている。そんなに思い通りにはいかないでしょうと思っていたら、本当に旧暦二月十六日に亡くなられたとのことだ。

しかし、僧侶としての自分と桜(或いは花鳥風月)を愛でる自分とに矛盾はなかったのか。

(仏教徒ではあるが)仏教を知らない私としては、この辺のことがわからない。(今後、西行について勉強します。)

「山川草木悉皆成仏、人だけではない、山や川そこに生きている植物も皆、六道輪廻を抜け出して仏になることができるのだ。」ぐらいのことしか私には言えない。