風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
比べて面白い 比べて響き合う 比べて新しい発見がある

春雨や 内藤 丈草 (比歌句 12 左)

2018年03月19日 | 和歌

春雨やぬけ出たまゝの夜着(よぎ)の穴 内藤 丈草(ないとう じょうそう)

 

このずぼらさが良い。まだ、春が浅い頃だろう。春雨を眺めるたいのだが、うすら寒いので(また蒲団にもぐり込みやすいように)蒲団からそっと抜け出た。春雨を眺めていると、はい出した蒲団の中に春が音連れているような感じがした。

天 蕪村の<春雨や小磯の小貝ぬるゝほど>を芸術的と評すれば、この句からは、生活実感が漂っている。云わば、リアリズムと詩の融合作品だ。