風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
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夜の帳(ちやう)に 与謝野晶子 (比歌句十 天)

2018年03月13日 | 和歌

※ 本日よりタイトルの記述を変えました。(分かりにくいので(汗))

夜の帳(ちやう)にささめき尽きし星の今を下界の人の鬢のほつれよ  与謝野晶子

この歌に「私」という言葉や語り掛けはないが、通常の生活者としての「私」とその私を観察している「私」を感じてしまう。

私の意訳は以下の通りです。

「ある夜、私は、蚊帳の中で愛し合った男性と尽きることなくささやき合い、この上ない幸福感に包まれていた。すると、私の魂が天上界へと抜け出して、地球の上から「今」を抱きしめているような感覚に襲われた。

ふと気づくと、私の魂は私の体の中に戻り、下界の人となった。そして、私は、鬢のほつれ毛を掻き揚げているのだが、別の自分がそんな自分を見つめている。」

どこにそこまでのことが書かれているのかと言われれは、いえ、感じたままを言葉にしただけですとしか言いようがないのだが。