※ 本日よりタイトルの記述を変えました。(分かりにくいので(汗))
夜の帳(ちやう)にささめき尽きし星の今を下界の人の鬢のほつれよ 与謝野晶子
この歌に「私」という言葉や語り掛けはないが、通常の生活者としての「私」とその私を観察している「私」を感じてしまう。
私の意訳は以下の通りです。
「ある夜、私は、蚊帳の中で愛し合った男性と尽きることなくささやき合い、この上ない幸福感に包まれていた。すると、私の魂が天上界へと抜け出して、地球の上から「今」を抱きしめているような感覚に襲われた。
ふと気づくと、私の魂は私の体の中に戻り、下界の人となった。そして、私は、鬢のほつれ毛を掻き揚げているのだが、別の自分がそんな自分を見つめている。」
どこにそこまでのことが書かれているのかと言われれは、いえ、感じたままを言葉にしただけですとしか言いようがないのだが。