風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
比べて面白い 比べて響き合う 比べて新しい発見がある

ならさか の 会津八一(比歌句 14 右) 

2018年03月22日 | 和歌

ならさか の いし の ほとけ の おとがひ に こさめ ながるる はる は き に けり 会津八一(あいず やいち)

 

ネットで、古都をそぞろ歩きする“気分”を味わった。

例えば、グーグルで「奈良 石仏」で検索すれば、大勢の方が映像等をアップして下さっているので、その映像を楽しむことができる。そして、その映像からは、その写真を撮った方の石像に対する慈しみの心が伝わって来る。

この歌は、蕪村の<春雨や小磯の小貝ぬるゝほど>よりは、しとどに降る雨だろう。

石仏の顎から滴り落ちる雨に春を感じているのだ。そして、そこには、傘をさして遠い過去の古都の住人の心を探し求める人がいる。

 

「奈良の坂道に佇む石の仏の顎(おとがい)に小雨がしたたり落ちて、ここに春が降りて来ていることを感じています。」

奈良って中学校の修学旅行で行ったきりだ。(かれこれ五十年近く前)お金と時間的な余裕が持てたら、そぞろ歩きを楽しんでみたいと思う。