風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。
比べて面白い 比べて響き合う 比べて新しい発見がある

山里の 能因 (比歌句 19 右)

2018年04月02日 | 和歌

山里の春の夕暮きてみれば入相の鐘に花ぞ散りける 能因(のういん)

「春の夕べに山里を尋ねた。すると、日の入りを告げる鐘の音に合わせるかのように、桜の花が散り始めた。」

<入相の鐘に花ぞ散りける>入相の鐘が響く中での落花だ。薄暗くなった空から、鐘の音の響きに合わせるかのように、揺れながら舞い散る花との出会い。まさに、花との一期一会だ。