清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき 与謝野晶子(よさのあきこ)
大原や蝶の出てまふ朧月 内藤丈草 と比歌句する歌は?と思ったら、まず浮かんだのが
方丈の大庇(おおびさし)より春の蝶 高野素十
だった。
まあ、良く似合う。だが、この組み合わせならどの俳句歳時記にも載っているだろうなあと思った。何か他に響き合うような歌句はないものかと。
そして、浮かんだのがこの一首。
旅をしたことのない私は(くどいようですが)またしてもバーチャル旅行。
“京都清水”で検索してください。
キナリノというサイトの写真がとても素晴らしい。(どういうわけかurlをコピペで貼り付けられない。)
清水寺周辺の街並み、五十年近く前に修学旅行で行っているはずなのだが、込み合っていたせいか、ほとんど覚えていない。(清水の舞台は覚えている。)
大原から祇園、清水へ。朧月から桜月夜へ。そして、蝶から人へ。
人みなを美しく感じのは、逢う人がみなうきうきと楽し気であること、また、それらの人々を眺めている人の心も浮き立っていること。そういう共有空間での貴重な一時だ。
私は「花火大会」で、このような気分を味わったことはあるが、舞台、桜、月夜でこの歌に対抗しようとは思わない。