経営側、日雇い派遣禁止に反発=法改正に向け審議再開-厚労省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080730-00000093-jij-pol
「日雇い派遣の原則禁止」という愚かなアイデアが,いじめ体質のメディアに乗せられた世論の支持を受けている中,経営側の反発がちょっと取り上げられただけでも,ヒステリーなほど大ひんしゅくを買っている.
世の中,歪みがトレンドのようだ.
情報化が社会にもたらしたマネジメント利用の適用範囲は,50年前には既に経営側から溢れ出し,内部組織の末端という垣根を越え,外部組織ですら知らない顔でいられないというのが,現在の経済活動における実態.
そしてこの日雇い派遣という業態は,消費者が求めたものだし,最終的な受益者はサービスを受ける消費者に他ならない.
この業態はなくならない.なくならないどころか更に細分化されるだろう.
たとえ労働者保護のための規制がかかっても,「雇い」の冠を外してこの業態は残って行く.
細分化は,ニーズの妥協なき定義を集約,そして自動化による解決法の出現まで,仕切を探し続けるだろうし,それは当り前のことだ.
官製不況の主役達やその熱狂的なサポーター達を見ていると,時間の切り売りだけが「創」の資源だと考える人物はマルクスが最後ではなかったようだ.
人類の愚かな歴史に感傷的になって実践してしまっている馬鹿達は,交通の要所に芸術作品のまねごとオブジェクトをおいて一時だけ通行を邪魔して満足感に浸るだろうが,いずれ塵になるだろう.
新しい雇用が促進されるわけでもなく,民・官関係なく海千山千の者達と張り合う必要も出てくるし,安易に考えているのだったら現事業者を防波堤にできる状態でニーズ定義を進めていくことの方が,絶対に人間保護だと思う.
事業者は雇用保険もなければ,源泉徴収もしてもらえるわけがないし,労災もなければ,談合も許されない.
何もかもが純利益である労働者のゼロからプラスまでの保証は,全て無保証でマイナスからプラスまで考えて,その上,上納金まで必要になる.
自由やフロンティアを夢見るわけでもないのに,無謀な煽りに乗せられている気がする.
規制がかかったとして,最終的な受益者のニーズが変わるわけでもない.
最終的な受益者のニーズを無理やり変更させる必要があるのに,現場でお客様に納得してもらえる積極的な理由がないことに,不安はないのかな.
細かいニーズは既に市場として成り立っている.
フラクタルみたいなもので,細かくすればするほど経済活動の稜線は長くなる.
Amazonのロングテール理論はすでに忘れられたのだろうか.
今回の規制が100%機能した場合は,市場の根絶が行われることになる.
「日雇い」というレベルで議論されているので,切り捨てられる尻尾の切り口はかなり太いことは明らか.
更に始末が悪いことに,この尻尾はかなり長くて,先まで美味であることだ.
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