夕食後、息子がおもちゃ箱からなにやら取り出して、畳の上を走らせていた。
とても懐かしいおもちゃだった。
実はこのおもちゃの車は、机の上を走らせるものなのだ。
運転席に電池を内蔵した人形を差し込むとスイッチが入り、机の端まで走っていく。
『あっ、あぶない、落ちるよ!』 と息子が叫ぶ。
この車は端まで行くとクルッと90度向きを変えて、再び走り出すのだ。
『へぇ~、すごいねこの車。 僕初めて見た。』 と感動する息子。
6年前に散々遊んだことを、全く覚えていないらしい。
もっとも、1歳と数ヶ月だったもんなぁ。
『この車さぁ、2歳になる前だけど、誰からもらったか覚えてないか?』 と尋ねてみると、全く覚えてないそうだ。
『ひっくんの大好きなおばちゃんからもらったんだぞ?』 とヒントを与えると
『分かった。ライオンズのおばちゃんだ!!』 と即答。
机の上をグルグル回り続ける車を見ながら息子は
『このアトムは6歳なんだぁ。』 と呟き、しばらく感動していました。