月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

禁煙記念

2013年12月01日 19時55分55秒 | 仏々相念(住職日記)

10周年・・・

 

「住職さん、今日のWOWOWの無料放送に矢沢永吉が出ますよ。」

同年代のご門徒がおっしゃって下さるのです。

「そうなんです!一応録画の予約はしているのですがそれが始まる時刻まで停電なんです・・・」

今日の昼1時から4時まで電気工事の為停電のご案内がありました。

 

数日前、テレビのコマーシャルで流れる永ちゃんの姿を発見。

「えっ、何々・・・」炬燵から飛び出てテレビにかじりつくコイツ。

WOWOWの無料放送で放映されるとのこと。

これは見なければって予約セットしていると

ん~、ちょっと待てよ・・・って停電の日と重なっていることに気付く。

「マジかよ~・・・」ってつぶやきつつ瞬時に浮かぶ顔があります。

娘に電話していました・・・

録画してもらうことになりホッとするコイツ。

 

お陰で3時過ぎには回復していたようで

速攻でタイマーのチェック。

消えることなくセットされたままになっています。

安心して娘の方は丁重にお断りしたことです。

 

録画したモノを先程見たことです。

 

「60になって見えなかったものが見えてくるようになった。

金、金・・・そう言っていた若いころとちがって

こんなに沢山の人がチケット買ってきてくれる、感謝しなくては・・・」

 

多分、未だにカネカネは消えてないと思います。

そうおっしゃったわけではないですけど・・・

でも、そんな今を支えてくれるファンの有難さに出会うのでしょうね。

60も過ぎてやっと気付く世界・・・

 

今日は、コイツの「禁煙記念日」

もう10年になりました。

チッとは肺もきれいになっているのでしょうか・・・

 

タバコも最近は一箱500円近くだそうです。

これは大変でしょう。

これだけで止めてよかったと思います。

吸える所はないし爪弾きにされるし・・・

 

でも、コイツは未だに吸いたくなる時があるのですから・・・

恥ずかしながら・・・

 

タバコを止めた年は、義父が往生させていただいた年でした。

入院された時にこちらから駆け付けた時には夜となっていました。

薄暗い病院の階段踊り場で医薬品のタバコもどきを吸っていたことをいつも思い出します。

その当時は病院内でも吸えてたんですね。

医薬品ですから日に10本までと決められていました。

なぜこれを吸っていたかっていうと当時やはりタバコが値上げされ

値段がこちらの方が安かったというセコイ理由からでした。

カッコつけでしたから味なんてどうでもよかったのです。

気持ち良く吹かすことが出来れば・・・

 

その頃だったのでしょうか・・・

「タバコ、止めようかな~」って思いだしたのは・・・

暗い廊下のベンチに一人座りつつ。

シチュエーション的に「死」を思ったのでしょう。

でもそれから半年も吸いつづけましたが・・・

 

タバコだけではなくいろんなものを欲しています。

この思いはず~っと続くのでしょうね・・・

こんな人生でも支えてくださるおはたらきがあるのです。

そっと支えてくれる優しさの中にコイツが生かさせていただいています。

 

「永ちゃん、まだぺーぺーのコイツだけど、有難く思うよ・・・」

 

ご縁をいただいて玄関を出ると先程のご門徒が見送りに出て下さっていました。

「とんねるずの食わず嫌いは見ましたか?」

「見ました、見ました!永ちゃん出てましたね!」

 

ゆっくり話すこともできずに失礼したことですが、

車に乗って帰りながら思うんです・・・

「あ~、矢沢永吉って聞くとコイツを思って下さるんだろうな~」って。

「住職、見てるかな~」って。

 

そう思いながらの帰り道のなんと優しいこと・・・

 

願生ります。