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37歳の冒険

2012年01月24日 | つねさんぽ

知っている人は知っているだろうが、知らない人は知らないだろう。

僕は小学校は近所の子供達と違う学校へ行っていた。

なぜかというと、江戸川区の一零細企業の三代目として生を受け、跡目を継ぐには江戸川区を離れ留学をさせよという家の方針だったからだ。

という事で、慶應とか暁星とか名だたる小学校をお受験したが、どこの校長も「あなたを預かるのは当校にリスクがありすぎる」という理由から丁重に断られた。

よって、市川市にある、「千葉の学習院」というごく一部で噂の昭和学院小学校に入学した。

江戸川区はその当時(昭和56年ごろ)東京都としての認識が薄く、隣の千葉県は江戸川区をあわよくば千葉のものにと、実効支配考えてたのでこの三代目を受け入れたのだということを一部情報筋から後に知らされることになる。

よって岡本少年は、近所には友達と呼べる人はいなかった。

なので、一人遊びは得意だった。

庭の水溜りで堤防を作り、園芸店で買って植えたナスの苗を洪水から守る、一人治水工事。

バットを片手にグローブを反対の手にはめ、ノックをする。そうすると、家の壁に当たって跳ね返る。それをグローブでとってまた壁に送球する、一人野球。これはかなり怒られた。

庭に小さな池があって笹舟を浮かべてると金魚がその船をエサだと思って襲ってくるスリルを味わう一人ジョーズ。

おばあちゃんのゲートボールで繰り広げられる一人グランドホッケー。

年末に貰ったお歳暮の箱をビルに見立てて、マッチ棒を内部に仕掛け、いかに上手に燃やすかを研究する一人ビルダイナマイト解体。

浦安まで潜入することもしばしばだった。県境を越えるスリルを味わい、浦安市民を装ったり、ディズニーランドあたりまで行ってひき返す一人スパイ潜入。

二階の窓からうちで飼っていた老犬(ロックという名前)を銀玉鉄砲で狙う一人スナイパー。(命中はしなかったし、庭に出るとたまに返り討ちをされた)

うちの老犬に見つからずに庭から帰還する一人アドベンチャーランド。これは一人スナイパーとセットで行うことが多かった

様々な一人遊びをしたものだ。

37歳になった今でも、たまにフラッシュバックのようになることもある。このブログも実は一人遊びのようなものなのだから。

一人シリーズは今なお密かに続いている。

今日の一人遊びは、自転車で道路脇に残っている雪に入り、氷や雪を砕く一人南極大陸だった。

僕の宗谷は氷砕能力が諸外国のものと比べると劣るので南極大陸(近所の信用金庫)に無事接岸できるのか不安だったが何とか接岸できた。

途中、大きな氷の塊が、宗谷の前に立ちふさがったが、何とか回避したり砕いたりした。

そんな37歳、三児の父になった冬。東京に雪が降った翌日の出来事。

荒野より君に告ぐ 僕のために立ち止まるな

荒野より君を呼ぶ 後悔など何もない

中島みゆき 「荒野より」より

これが「つねさんぽ」の原点。

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