♪金も要らなきゃ、女も要らぬ(イヨッ)あたしゃも少し背がほしいぃぃぃ(ハイッ!!)♪
江戸川区球場で一匹のアシナガバチと格闘し始末した岡本青年。
安堵したのも束の間、追ってのハチが岡本青年に襲いかかって来たではないか!!
青年の勇気ある行動に歓声をあげた観客達ではあったが、追っ手の二匹がくるや
「兄さん、余計なことをしてくれたな」
と冷ややかな視線に変わりつつあるのを肌に感じていた。
二匹のアシナガバチは偵察が戻ってこないのを不審に思いやってきたのだ。
「よくもジーン(偵察バチ)をぉぉぉ~」
青年めがけてやってくるデニム曹長(追ってのハチ)。
「ど、どどうする!?これ以上やるとサイド7(スタンド)がもたない!!」
青年、左手の缶ビールをぐいと飲み干し、缶を投げ捨て!!(イヨッ!!)
左手にもゴムスリッパ!!(ハアッ)
二刀流と相成って、その姿はまるで剣豪宮本武蔵か岡本恒明か!!(ハイッ)
右の刀はハチの方、左の刀は怒髪天をつき
スパパパパーーーンと振りぬけば!!(イヨッ)
またしてもゴムスリッパから伝わる確かな感触。
二匹のハチは青年の足元にまたポトリと堕ちたーーーーっ!!(イヨッ)
「悲しいけどこれ戦争なのよね、御免!!」
ハチ三匹に敬意を払い、とどめの一撃。
人間の都合で悲しい運命となったハチに御免とまた一礼。
どよめきから歓声、そして拍手がパラパラと周りからおこり始めた。
と思った瞬間!!
客席がまたもや歓声に包まれた。
それは松坂弟がリリーフにマウンドに立ったのである。
リリーフとは言えども試合の勝敗はもはや見え始め、明らかにこの観客へのファンサービス登板に過ぎなかったが、客席は沸きかえった。
結局、松坂弟は1イニングを投げ、その裏篠崎高校の攻撃も終わり、コールドゲーム。松坂弟の夏は終わった。
そそくさと帰り支度を始める観衆。その光景を眺めつつ、青年もスリッパを履き帰宅の途についたのであった。
♪ちょうど時間となりました。このお話は岡本恒明武勇伝「たった一人の甲子園」の一席!!
♪アンアーアーン アンアーアーン アンアーアン アンアンアーアンアアアーン ごーきげーんよーーーー♪
2ne