うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

重い扉、開く。(その3)

2014-08-06 00:38:55 | 野球
6回裏の猛攻を何とか2失点で凌いだが、それでも帝京相手に終盤で3点ビハインドは重い。ましてや、今日はヒットはそこそこ出ているが、いずれも単打だ。昨夏の決勝も、修徳とヒットの数は互角だったが、修徳は長打が多く、二松は長打が少なかったっけ。長打が期待しにくい以上は、一人一人、単打でも四死球でもいいからコツコツつなぐしかないだろう。ともあれ、まずは1点取らねば始まらない。そう思って見ていた7回表。1死から、5番・岡田くんがレフトへヒットを放った。続く6番・秦くんが四球を選び、1死一、二塁。帝京の清水くんも、緊迫した投手戦が続いて、いくらか疲れが出てきたか、制球が微妙に乱れ始めている。ここで、7番・今村くん。まだ1年生で、線も細い。一発なんか全く期待していないから、最低でも右に転がして2死二、三塁に持って行って欲しいな…と思っていたら、2球目をレフトへ打ち上げた。打った瞬間は
「うわー、やってもうた。せめて転がしてくれよー!」
と、絶望的な気分だったのだが、打球がなかなか落ちてこない。それどころか、レフトの小幡くんが懸命にバックしている。え?まさか?それでも、ワタシは信じていなかった。今までの決勝戦だって、ヒットだと思った打球をことごとく相手に捕られて、それで負け続けてきたのだ。今回だってきっとそうに決まってるんだ。小幡くんがフェンス際でジャンプした時は「捕られた」と思ったし、ボールがスタンドで跳ねるのが見えた時ですら「スタンドに入ったように見えて、実際にはフェンス直撃でせいぜい1点止まりでしょ」と思った。それぐらい、野球に関しては極端な人間不信に陥っていたワタシは、塁審が腕を回してホームランのジェスチャーをしているのを見て、ようやく同点3ランが出た現実を受け止め、そして壊れた。しばらく手を叩きながら
「あははははははははは」
と笑っていた。完全にヤバい人だ。ひとしきり笑った後、我に返ってりゅーや氏に「同点3ランが出た」というメールを送ると、「中継で知って、体が震えた。もう我慢ならん。今、神宮球場に向かっている」という返信が来た。中継からも、今までの二松と違う何かを感じたのであろう。
この一発は、明らかに試合の流れを変えた。その裏に帝京は1点を勝ち越すが、二松も懸命に食い下がり、さらなる追加点を許さなかった。今までなら、勝ち越された時点で帝京のムードに支配されるところだが、今日は違う。これはまだわからん…!

りゅーや氏が球場に着いた。そして、同じく大学の同級生であるミッチー氏とも合流することとなった。ミッチー氏も、昨夏の悔しい決勝戦を神宮球場で見ており、この日もお仕事そっちのけで序盤から球場で観戦していたらしい。

8回表。先頭打者の1番・末松くんが初球をいきなりレフト前に運ぶ。2番・北本くんがバントで送って1死二塁。3番・竹原くんはセカンドゴロに倒れるも末松くんが三塁に進み、4番・小峯くんのサードへの痛烈な当たりが強襲ヒットになって、再び同点となった。従来なら、サードに捕られてアウトにされて「これが二松クオリティだわ…」と苦笑いしている流れのはずだ。こんな粘り、今まで見たことがない。このあたりから、ネガティブ思考のワタシも「これは、まさか…!?」と、薄々ながらも思い始めていた。

(続く)