南海本線「岸和田(きしわだ)」駅。
この駅に初めて降りたのは、今から12年前の1999(平成11)年10月。その年のだんじり祭りが終わって、ひと月程過ぎた頃だったと思う。
父親譲りのNHK好きの私が、エキストラ出演とは言え、初めてNHKのドラマに参加したのが、ここ岸和田であった。
駅前に集合したのが昼過ぎ。10分程で現場に入ったが、それから長い待ち時間。夕方まで待って、まだ何も撮影していないのに、先に夕食の時間となった。
夕食を摂って、短パンに着替えた。また数時間待って、私達に出番が回ってきた頃は、もうとっぷりと日が暮れていた。
学校の校庭で、だんじりを曳く練習をするシーン。勿論だんじりはない。男10数人が綱を持って、校庭をひたすら走った。
地元の方から、注意された。
「この綱、もし地べたへ放り投げたり、踏んづけたりしたら、それやった奴がどこの誰なんか突止めて、あとで必ず報復に行きますからね」
エキストラ陣に緊張が走った。
綱とは言え、やはりご神体の一部なのだ。疎かに扱うことは出来ない。
腕に肩に、体全体に力が入った。
撮影終了は深夜。帰宅したのは午前2時だった。翌日は体中が痛くて、動けなくなっていた。
ドラマとだんじり祭り……、それぞれの面白さと恐ろしさを、肌で感じることが出来た、岸和田である。
この駅に初めて降りたのは、今から12年前の1999(平成11)年10月。その年のだんじり祭りが終わって、ひと月程過ぎた頃だったと思う。
父親譲りのNHK好きの私が、エキストラ出演とは言え、初めてNHKのドラマに参加したのが、ここ岸和田であった。
駅前に集合したのが昼過ぎ。10分程で現場に入ったが、それから長い待ち時間。夕方まで待って、まだ何も撮影していないのに、先に夕食の時間となった。
夕食を摂って、短パンに着替えた。また数時間待って、私達に出番が回ってきた頃は、もうとっぷりと日が暮れていた。
学校の校庭で、だんじりを曳く練習をするシーン。勿論だんじりはない。男10数人が綱を持って、校庭をひたすら走った。
地元の方から、注意された。
「この綱、もし地べたへ放り投げたり、踏んづけたりしたら、それやった奴がどこの誰なんか突止めて、あとで必ず報復に行きますからね」
エキストラ陣に緊張が走った。
綱とは言え、やはりご神体の一部なのだ。疎かに扱うことは出来ない。
腕に肩に、体全体に力が入った。
撮影終了は深夜。帰宅したのは午前2時だった。翌日は体中が痛くて、動けなくなっていた。
ドラマとだんじり祭り……、それぞれの面白さと恐ろしさを、肌で感じることが出来た、岸和田である。