クマタカが林近辺を飛びながら、フッと姿を消す時が有ります。恐らく、抱卵中のメスの居る、あるいは餌を待つヒナの居る、大事な大事な巣に戻る時であろうと想像するのですが、いかにも忍者の遁走、といった風情で見えなくなります。
前にもこのテーマに触れたことが有りますし(効率的な探し方は判りませんが、’21.02.02の記事「クマタカ日誌18」の後半「林冲に消えるクマタカ」およびそのコメント参照)、一度丹沢湖を訪れた時も同様、わずか300~400m先の常緑樹に接近するまでは多くの人が凝視しているのですが、誰一人、その先が見えないのでした。並み居るベテランが揃って嘆いたのを思い出します。
昨年後半の写真を確認しているうちに、この木遁の術を看破させてくれそうな一連の写真を見つけました。距離は約600m程度でした。
画質に一抹の不満の残るRX10Ⅳの記録だから放置していたのですが、他方で、AF精度が良く、ファインダー視認性の好いカメラだからこそ、多少の自信を持って追跡したことを思い出しました。
最後の方は、連写だからこそ追跡できたし、その静止画から隠し切れない尻尾が視認できる次第です。しかし、一枚の静止画をパッと見せられても看破できないことでしょう。
もう少し自信が有れば、飛び立つところまで追跡できたのでしょうが、何しろ木遁の術が相手では初めから半信半疑でしたので、数秒後には正確な場所を見失っていたのでした。
撮影はRX10Ⅳで、SS=1”/1250,f=220㎜、F=4,像拡大面積比=x36、高速連写50枚のうち、時間経過の順に、ほぼ等間隔に選択表示。
判り難い画像も多いが、対象はほぼ画面中央に配置しており、右側の十手を上に向けたような木の枝が上下の目標として利用できます。
その助けを借りますと、今回の木遁の術の本質は、それまでの横移動の連想を裏切って、着地点の直前で、葉の茂った木の枝の間を、スッと数m上昇することのようでした。
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