うららかdiary

思いのままに綴ります☆

哲学とムーミン

2007-05-03 10:20:53 | ムーミン
瀬戸一夫著 「ムーミンの哲学」を読みました。

著者は大学で法学を教えていらっしゃるようです。
普段、哲学の本など読みませんが
表紙の装丁にひかれてつい手にとってしまいました
  
哲学としては入門程度の解説にとどめているようですが、
哲学者の言っていることは、やはり分からないところがあります。
まあ、一般ピープル的な考えでは哲学者にはなれませんけどね 

当然、哲学者の名前がずらずら出てきますね。
私が知っているのは、キリスト教や心理学がらみで出てきた学者だけ。
初めて聞く名前もあり、いかに自分が哲学にうといかわかりました 

ムーミンアニメ―ションから8つのストーリーをとりあげ
哲学的にそれをみていくのです。
哲学の説明箇所とストーリーのあらすじ箇所とでは
読み進むスピードがかなり違って、なかなかメリハリのある進行でした

こういう捉え方もあるんだなあと、ストーリーの深さに改めて感激しました
哲学的な分析に耐えられる作品であるということを知りました。
深いムーミン 
ヤンソンさんはやはり切れ者だったんだな~ 


「本書が、ムーミン作品という優れたメルヘンの深層に迫る、一つの試みとなれば幸いと願っている。」
⇒私にとってはほぼ達成できました

「アニメーション版は単なる原作の焼き直しではなく、わたしの印象からすると、原作を遥かに凌駕するほどの深い内容をもっていた。」
⇒そうですよね 原作もすごいけど、アニメもすごいですね~。

…と、こんな具合に著者と会話しつつ…。


「ムーミンのシリーズは、幻想と現実が交錯する作品に富んでいる。幻想的であればあるほど、どこか現実のおくゆきを浮かび上がらせるような、それでいて現実のきびしさが描かれるそのときに、まるで幻想への扉が開かれるような、そうしたメルヘンの世界がそこにはある。」

そうなんですよね。
時にはぐさっと、でも大体はやさしく。。
表面上、子ども向けにつくられているんですけど 

著者の瀬戸さんもかなりムーミンがお好きなんでしょうね 
もしかしてムーカフェとかにいらしたりして(笑)

最後のほうで、こうまとめられています。

「神秘なものは神秘なままに。これがムーミン・シリーズの一貫したテーマであった。しかしそれだけではなかった。この一貫したテーマは、近代哲学を決定的に方向づけた、カント哲学の真髄とも共鳴したのである。」

大学の法学の講義にもムーミンアニメをとりあげていらしたりして 

コメント (4)
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