ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

93 コートの外に選手を配置するメリットとデメリット

2013年07月23日 07時35分29秒 | サーブレシーブ

はじめに
5月中旬ころ、その時点で7月の島根クラブとの練習試合を見据えたフォーメーションについて最初の案を選手に示しました。

すると、コートの外に選手を配置するというフォーメーションに、皆が疑問を示したのです。
どうして、重要なサーブレシーブなのに、ボールの来ないところに選手を配置するのかということですね。
また、クイックの倉本君までがレシーブに入っているというので、サーブレシーブしてからの速攻は無理があるのではないかという意見が出ました。
そこで、このフォーメーションのメリットデメリットについて説明することとしました。

デメリット
「ご指摘のとおり、クイックを打つ倉本君もサーブレシーブに入ると言うので、倉本君には少し負担があるかもしれません。クイックが遅くなるとかですね。これはデメリットです。」
「新人選手をコートの外に配置するのはどうですか?」
「まあ、これも、本来ならコートの中でまずはプレーしてほしいというのはありますね。サーブレシーブする選手が不足し、そのためにクイックを打つ倉本がレシーブに入らないといけないというわけで、このことがデメリットですよね。」
「まあ、そうですね。そこまでは私たちも分かります。でも、メリットというのがあるとはおもえないのですけど・・・そこの所説明お願いします。」
「うん、うん、じゃ、その話します。」

このフォーメーションのメリット
「このフォーメーションのメリットはですね。チームとしてのサーブレシーブの成功率が上がるということなんです。ミスが少なくなるといいますか・・・まあ、それが一番のメリットです。それに、万一、コート内の選手がボールを弾いてしまった時ですね、その時、このフルバックの選手がそれをカバーでもしたら、チームの雰囲気は大いに盛り上がりますよ。」
「盛り上がるのは分かりますね。でも、チームとしてのサーブレシーブ成功率が上がる・・・・。そうなんですか?」
「実は、私は練習のビデオを毎回撮ってますでしょ。あれね、サーブレシーブの成功率を計算しています。
新人メンバーも少しはサーブレシーブができそうな感じがあるので、ミニゲームを始めましたし、サーブレシーブの練習でも後衛両サイドに入れてサーブレシーブをさせています。それを録画し、
持ち帰って、レシーブの成功率を毎回記録しているのです。
レシーブの区分けを
Aカット・・・セッターの所にピンポイントで返球されたもの。
Bカット・・・セッターが1~2歩移動した場所に返球されたもの
Cカット・・・セッターがアンダーでトスアップしたか、他の選手が二段トスしたもの
ミス・・・・・・レシーブミス
の四種類にしてチェックしていきます。
それをまとめたのがこの表なんですけどね。

ビデオを見ながら、「正」の字を書いて数を数えて行くっていう単純な作業ですけどね。
これを最終的に右下の表のように求めて行くのです。
この表をよく見て下さいね。

経験者の山形君や小川さん鴨下君がAカットやBカットの割合が多く、ミスの割合が低いの分かるでしょ。」
「ああ・・・・フムフム。確かに、ミスは一本以内ですね。」
「一方、新人の足立、瀬長、藤山、根岸を見て下さい。Cカットとミス(M)が多いでしょ。」
「ほ~、なるほど。」
「こういう選手をコートに入れていたら、すぐ狙われてしまいます。彼らがコートにいないほうが、チームとしてのサーブカット成功率は上がるのです。サーブカットが成功しないと、サイドアウトが取れず、点差はどんどん開いて行きます。負けてしまうのです。」
「そうなんですね。しかし、コートの外に追いやられるとは手厳しい・・・」
山形君が苦笑いしています。
「いえ、いえ。そうではないのですよ。サーブレシーブはできないけれど、誰かが触った次のボールには反応できるという選手を選んで、他のレギュラーメンバーと同レベルでプレーできる部分では活躍してもらおうというのですから、それは、それで立派な貢献なんです。ほんとに厳しいサーブが来て、誰も対応できないというときは、相手がサーブのモーションに入った瞬間に、当方の一番レシーブのうまい選手がポジションチェンジして、狙われている選手のポジションに入り、レシーブさせ、そこから二段トスで、またまた、そのレシーブした選手にスパイクさせるという方法で、つまり、ビーチバレーのような感じで、わずか二人の選手でプレーしてそのサーブを切るなんてことも考えないと、格上のチームには太刀打ちできないよ。
新人選手もね、不安を抱いた中途半端な気持ちで『サーブ、来るなよ、来るなよ・・・』なんて、気持ちでプレーするより、そのほうがずっと力を発揮するんだから」
「そうですね。サーブが来なけりゃいいと思うときありますもんね。そんな時に限って来るんですよね。」
「そうです。だいたい、そんな時はミスしますよ。プレーが中途半端になりますからね。」
「分かりました。ただ・・・しかし、今の状態ではサーブカットからのクイックは打てないってことですね。」
そのような不安を訴えますので、そのことについても話すことにいたしました。
明日につづきます。

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