ラ・ヴィータ イタリア

イタリア:ベニスでの日常生活やベネチアンガラス工房のお店“L'albero”での出来事、イタリア&海外お奨めスポットなど

釜入れ&特注マドラー

2009-05-27 16:49:09 | ラルベロ(店)での出来事
昨日は久しぶりの釜入れの日だった
いつものように大型電気炉のスイッチを入れてから
設定温度の800度に達するまでには約4時間ほどかかる
それまでは焼入れに必要なガラスの準備とアンティークガラスカッターにて
店内にてガラスを切り始めると観光客がどんどん入って写真を撮って行く


釜入れを始めるのはランチをすませてから
ここしばらく売上げが思わしくなったのが今日は朝からラルベロスペシャル
がいきなり2個も売れた!出だしなかなかいいそー

釜入れの前に店の前でショーウィンドーのチェックをしていたところ
たまたま若い日本人カップルがラルベロの前で立ち止まった

“いらっしゃいませ!どうそ良かったら中見て行ってください、今日は釜入れもするので
みてもらうこともできますよ”と声を掛けると
じゃまたあとから来ますねとその場を立ち去って行った

午後釜入れスタート900度近くまであがった電気炉の扉を開けるたび
灼熱の空気にさらされるPinoいつも“焦げるー”といいながら
ぶりぶり大汗かいている!暑さには凄く強いPino


夕方工房&店内はもうサウナ状態
とその時“こんにちは!”と朝の若夫婦再来店釜入れの様子を見てもらい製作商品の説明などなど

すると“マドラーってありますか?”と質問

Pino“作れるよすぐに”ということで
ベネチアンガラスの伝統工芸ミッレフィオリ(金太郎飴のようなガラス)のガラス棒を選んでもらうことに

下記彼が選んだミッレフィオリ、通常このような長いガラス棒


小さく切るとこのようになる


すると“レース模様のシマシマのガラスありますか?”と

おーなかなか奥深い質問!えー感じや!

“すこしあるけどあれは材料費がものすごく高価なものなのでミッレフィオリの3倍の値段になりますよー”と説明

彼らの言うレース模様のガラスとは「ザンフィリコ」と言い
ベネチアンガラスの中でも製作に技術と時間を要し相当高額な材料になる
私達も沢山使いたいけれどあまりに高額なため購入するのはなかなか大変
何故なら1種1色10kgからしか買えない
そんなガラスいくつも買ったらすぐに破産だ!

観賞用の高価なベネチアンガラスのグラスにはたいてい使用されている
グラスが高いのはそのせだ!
でも見ててもうっとりするほど本当に綺麗なガラスいつまででも見てられる
下記現在店にあるザンフィリコ


私たちの製作するスペシャルデザインのペンダントにも一部使用している
今年の年末商戦用の商品を今から少しづつ作り始めてる
顧客の中にもこのザンフィリコ商品を買いに来られる人もいるほどファンは多い

ザンフィリコ入りの商品お楽しみに!

ザンフィリコの次にベネチアンガラスと言えば「アヴェントゥリーナ」
キラキラ光る綺麗なガラス、銅を原料に作り上げる
これもまたたいていのベネチアンガラスの作品の中に少しづつ使われている
これが入ることで商品に高級感が増しグッと引き締まる
ザンフィリコほどではないけどこれも又高額材料

彼らに説明してお勧めすると選んでもらった(上記写真ブラウン系ガラス棒)
夜の20時くらいに取りにくると言うことで一旦帰っていった

7時半ごろ4人のアメリカ人女性がやってきた
この御一行様どうやら豪華客船でベニス入りしてるようで
4人が選んだ商品すべてPinoのスペシャル商品ばかり
そしてまたラルベロスペシャルを選んでもらいました
売上げ絶好調だ!

こんなバタバタの中日本人若夫婦商品取りにやってきた
出来上がりを見せると凄く喜んでもらえった
ベニスの想い出の品なればいいなーと思っている!

残念ながらアメリカ人御一行さまの接客で出来上がりのマドラー写真を撮る時間無かった
又次の機会に!


釜入れが済んで帰宅したのは夜中の12時それから夕食
釜入れの日はいつもそうなる、かなりきついけど後にある釜出し
この楽しみがあるから続けられる!