梅雨の晴間に、少し釣り。
熊を避けて入る街道沿いの小渓流。川の入り口は、とても小さい。
短い竿で釣るのが、とても楽しい。
山里にある古い橋。
橋の下には良い流れがあり、なかなか釣れないけれど魚がたくさん着いている。
古い橋は生活道路になっていて、時折地元の人が渡っていく。放課後には、中学生が糸を垂らす。
木立に囲まれたこの場所は、今の時期立ちくらみそうな明暗差と水の冷たさで、
息をして魚を釣ろうとしている自分を、強く認識させる。うまく表現できない。
フライロッドの故障で多いのがジョイント部分が縦に裂けるジョイント割れ(口割れ)。
ロッドの素材でカーボンやグラスは縦に繊維が走っており(裂けるチーズのような感じ?)、
柔軟で強いですが、縦方向への裂傷には極端に弱いです。
ジョイント部分は下から差し込む構造のため、どうしても負荷がかかりやすく、
強く差し込みすぎたり、差し込みの緩い状態で使ったりすると上写真のように裂けてくることがあります。
このまま使っているとどんどん裂けていって、この部分から折れてしまいます。
普通ジョイント部分には通常ナイロンの糸を巻いて補強、その上にエポキシ樹脂をコーティングして固めてありますが、
ナイロン・エポキシとも柔軟性があり、裂傷に対しては強くないようです。
ブランクメーカーによっては、この部分のカーボンの肉厚を増したり、繊維を横や斜めにして強化しているものもあります。
私は二本継や長めの三本継のロッドでは下画像のような金具を製作して対応していました。
ただ、現在主に製作している四本継・六本継の竿では、継数が増すだけ金具が多くなります。
竿の手元に近い部分の金具は必然的に太く大きく重くなりますし、
先端部分の金具による重量増は竿の調子を大きく変えてしまします。
現在は下画像のように処理しています。
ブランクの漆塗装前にジョイント部分に絹糸を強めに巻き補強。
そこに強度のある生漆を希釈せず含浸させ硬化させます。
さらに、この補強の上からブランク全体に漆塗装をし、
仕上げに再度補強巻を施し(ダブルラップ構造)、素黒目漆を四回塗装して完成させています。
手間はかかりますが、重量を増加を抑えつつ強度を増す工法だと思います。