Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

「安代漆工技術研究センターの歩み」展

2017-07-09 07:46:55 | 日記・日常

本日2017年7月9日より

盛岡市のもりおか歴史文化館にて

「安代漆工技術研究センターの歩み~修了制作で見る軌跡~」

が開催されます。

安代漆工技術センター(通称漆器センター)の廊下(暗く狭め)には、

大きなガラスケースがあり、過去に二年間の研修を終えた研修生の

修了製作品が(地味に)並んでいます。

 

この作品群がきちんとした空間で一堂に展示されるようです・・・

好企画だと思います。

 

 

 

作品は各々工夫・技巧ともに練られており、二年間の研修の成果として

製作されたもので、気合が入っています。

 

 

私のフライロッドも展示されます・・・が・・・・

いかんせん過去に製作したものなので青臭い・・・・

作り直したい・・・・研修仲間も多くは同意見だったりするのですが、

「二年という期間のなかでの結実を見せる」のも目的の一つのようです・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示は7月17日まで。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。


漆とペン

2017-07-04 08:39:05 | 漆と漆器

私の製作する漆塗竿ですが、文字を書いた上に漆を塗装して、

文字をブランク塗装の中に埋め込みます。

文字を書くために使うインクですが、油性・水性ともに書くことはできますが、

書いた上に漆塗装ができません。漆をはじく・いつまでも乾かない。

なので、この文字も漆で書込みます。

 

 

書込みにはペンを使います。文字色は朱を使うことが多いです。

ペンと漆は相性が悪い(漆の粘度が強い・粘度の変化が激しい)といわれ、

あまり使われないようです。

粘度を下げるために希釈する方法もありますが、朱漆の顔料の濃度も薄くなってしまうため、

発色が悪くなるようです。

 

私はいくつかの方法で漆を調整して粘度を下げ、ペン軸+ペン先で書き込んでいます。

調整しても書いている間中粘度が変化するので難しいです。長い文章は書き込めません。

もともと字が下手なので、何回も定盤(漆の塗装台)で練習してから書込みます。

練習で書いた文字はヘラで回収して次回濾して使います。

 

 

上画像は朱漆で文字を書いてその上に素黒目漆を塗り、研磨したもの。

塗った直後(漆が若い頃)は、朱漆の発色が悪く素黒目も透明ではありませんが、

漆が落ち着くと鮮やかに発色します。