モー吉の悠悠パース留学絵日記

この日記では、パースでの留学生活での出来事を中心に、心象風景を交えて、写真とエッセイにより、絵日記風に綴っています。

遠い日のあこがれ -9月4日

2013-09-04 23:30:33 | 今日を旅する
遠い日のあこがれ 9月4日

 昨年の9月1日にこの地へ来てから、丸一年が経過することになり、時の経過の早さに驚いています。
 そして、あまりに沢山のことがあり、書き綴れば何冊かの本になりそうです。この間、このブログにも49編の記事を公開してきましたが、下書きどまりの記事も数編あります。その時々の出来事、そして、私が思い、感じた心象を投影した文章と写真などなどを綴り合せれば、私のこの一年の歴史を垣間みることはできますが、そこに書き忘れたことの方が多いような気もしています。


 振り返れば、昨年の8月31日に日本の地を飛び立ち、雲の上から大海を望み見、古の旅人たちの未知の大陸への旅立ちに想いを馳せたのが、冒険の始まりでした。
 今想えば、私をこの地へ向かわせたのはなんだったのだろうか。あの写真の友K君からのメッセージだったのだろうか。あるいは、私の遠いあこがれ、夢にむかっての自分をさがす旅だったのだろうか。それが何であったにせよ、あの一歩はこれからの大いなる一歩にきっとつながると確信している今です。
 今の向こうに何があるか確かではないにせよ、写真家HUBUさんの言葉をかりれば、「見ない夢は叶わない」ものではないだろうか。







 この一年、たくさんの友との出会いと別れ、我々留学生を暖かく、楽しく導いてくれた英語の師匠たち、そして、私たちをサポートしてくれたこの地で暮らす人たち、また、何よりもフレンドリーな笑顔で接してくれたオージーたち。私は、この間に出会ったたくさんの人たち、様々な人種の人たちの顔を思い描くと、地球を一周してきたよう気持ちになります。そして今、この地への留学という選択は、正しいものであったと、確信している今日この頃です。


 それにしても、英語の習得がたいへん難しいということを改めて痛感しています。
それは、言語の根本的な違いに加え、生活習慣の違い、文化の違いもあるわけですので、当然と言えば当然のことなのですが。
 そして、外国で暮らしていると、自分のNationalityを改めて再認識し、それに郷愁を感じ、大切にしなければという気持ちが強くなります。それは自分を培ってきたものであり、自分と自分の生まれ育った国の歴史そのものであるわけですから。






 一年を振り返り、そんなことを考えながら、学校を終えての帰り道、シティの街の私の好きなWesley churchの前を通ると、一人の男の子がかもめと遊んでいました。
 そして、その時、私は、その子は「遠い日の私かもしれない」と、ふと想いました。
教会の中に入ると、一人の女性が、ピアノをひいていました。ピアノの音は、教会の天井に響き渡り、私に語りかけているようでした。「今を一生懸命生きなさい」と。
 そして、教会の外には、まだあの男の子がかもめと遊んでいました。そして、私は、今は彼である遠い日の私に向かって、「今を一生懸命生きなさい」とエールを送っていました。