モー吉の悠悠パース留学絵日記

この日記では、パースでの留学生活での出来事を中心に、心象風景を交えて、写真とエッセイにより、絵日記風に綴っています。

Auction Night

2017-06-24 20:47:26 | 今日を旅する
Auction Nigh

 昨年の六月、我々は卒業展示の資金集めのオークションのための展示を行いました。
 今年は、我々の一年後輩のクラスがそれを行いました。
このオークションでは、毎年、前年の学生が、後輩のこの展示のために、自分たちの作品を寄附をするしきたりになっています。

 今年のこの展示は、"Meraki Exhibition"といい、展示の数ヶ月前に、私はこのチームのメンバーMonjaから依頼のメールをもらい、二つの作品を寄附しようと思い、データーを彼女のもとに送っていました。
 作品は次の2点でした。


The image was captured at the afternoon in Gion Street, Kyoto.
When I was strolling around there, a Maiko passed like flashing in front of my eyes.
Just at the time, it seemed as if she would appear through old time.
I aimed to capture the movement as a time traveling existence through old time.
Moreover, by the movement I aimed to show a fantastic longing existence, appearing through old time.



The image was captured on the Gion Street at the evening in Kyoto.
A Maiko was walking in the street lighted up by some lanterns.
In the light she was emerging dimly.
It seemed as if the figure would show the existence appearing through old time.
And, the street space was showing the world harmonized with old existence and new existence.
I aimed to represent just one harmonic space ; 和の空間 with nostalgic atmosphere.

 展示は6月8日から13日の期間でした。
 展示の準備の様子は、Facebookである程度知っていましたし、去年は我々が経験したことなのですが、その時は忙しくて楽しむ余裕もあまりありませんでしたので、今年は大変楽しみにしていました。
 私は、オープンの翌日金曜日、妻の学校の帰りに待ち合わせて、見に行くことにしました。

 TEFEのギャラリーに行き、中に入ると、奥の方にいた一人の女性が、駆け寄って挨拶をしてきました。彼女が、私がメールのやりとりをしていたMojaであることを、その時のやりとりで知りました。

 彼女はノルウェー出身の色白の若い女性で、とても親切でしっかり者といった感じでした。彼女は、MarakiのFacebookで、私の寄附作品を紹介してくれており、私の昨年の作品などもよく知っているようでした。
 この時も、私たちに親切にギャラリーの中を説明してくれました。







 その日は、数人のグループだけでしたので、ゆっくり作品を鑑賞することもできましたので、彼女と先生と思しき人にお礼をいい、帰りました。
 
 そして、Auction-Nightの日、翌週火曜日に、再びギャラリーを訪れました。
 その日、オークションは夜7時からスタートですが、私は6時に到着しました。すでに会場にはたくさんの人がつめかけていました。
 入り口の外に、昨年の我々の展示担当の先生でもあったJさんがいました。7ヶ月ぶりの再会でしたので、大変懐かしく、互いにかたく握手をして挨拶をしました。
 彼は、昨年我々の三つの授業を受け持ってくれたフリーランスのカメラマンで熱血漢のレクチャーでした。その当時、私は彼と一番親しくしており、私のPhoto Bookの制作に際しては、英語の添削もしてくれました。


 中に入ると、すでに数人のクラスメートがいました。
 私は大変懐かしく、嬉しく思っていると、彼らも私に気がつき、駆け寄ってきました。
そのLさん, Eさん, Iさん, Mさんの女性たちとは、かたくハグすることとなり、嬉しくもあり、恥ずかしくもありました。思えば彼女たちとも、7ヶ月ぶりの再会でした。香港出身のIさんとは、一度会っていましたが。
 クラスの書記を務め、また一番の人気者でもあるIさんとは、互いの本を交換したこともあって、一度メールのやりとりをしておりました。
 その事もあってか、再会を大変喜んでくれ、私がオークションへ来ることを予測していたのか、私が卒業の餞別として、女性たちへプレゼントした日本のかんざしを髪にさしており、それを嬉しそうに披露してくれました。





 オークションの始まるまでには、一時間弱、時間がありましたので、用意されていたケータリングの飲み物と食べ物をいただきながら、展示を見たり、歓談をして楽しく待ちました。去年の私のレクチャーたちも三人きていましたので、挨拶をし、近況を報告しました。
 今年のMarakiのメンバー数人も、私の去年の作品や本を見ているようで、話をしてきましたので、親しく歓談し、彼らの記念の写真を撮らしてもらいました。





 いよいよオークションがスタートしました。
 私の作品は、一点"Passing Maiko"がオークションにかけられました。オークションは10ドル台からスタートしますが、私の作品も結構値が上がり、多分150ドルまであがりました。
後で、競り落とした落札者の女性に、私は、お礼として日本のアート作品の品をプレゼントしました。もちろん、私のその他の作品も宣伝するため、私のウェブサイトの名刺カードも渡して、PRもしておくことにしました。
 その他、この地では有名なプロの写真家の作品もあり、オークションは去年と同様、大変盛り上がりました。私のクラスメートたちも、それぞれ気に入った写真を競り落として、飛び上がるように喜んでいました。
 中には、1000ドル近くまで跳ね上がった作品もありました。










 私は、今年のMerakiのメンバーの気に入っていた作品三点を、55ドルで買取ました。




 オークションも終わり、それぞれ手に入れた作品を、お金と引き換えに受け取るため、並んで待っている間、クラスメートと別れを惜し見ながら、卒業から今日までのこと、これからの予定などを話し合っていました。
 Eさんは、一月に日本へ旅行し、京都、大阪、東京、ニセコへと楽しんできたとのことでした。香港出身のIさんは、近々、香港へ5週間ほど、里帰りするとのことでした。また、Lさんは、後でメールが届きましたが、ヨーロッパへ旅行するそうです。それぞれ忙しそうなので、落ち着いたら、また、会おうと言うことになりました。


 帰り道、私は手に入れた後輩たちの作品を、大事に抱えながら、家路を歩いていました。
 そして、この同級会のような集合が、いつまで続くかはわかりませんが、この時、私は自分の年齢を忘れ、少年時代のような高揚した気持で、井上陽水の"少年時代"を口ずさんでいました。

少年時代
夏がすぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
青空に残された 私の心は 夏模様
夢がさめ 夜の中 長い冬が窓をとじて
呼びかけたままに 夢はつまり 思い出のあとさき

夏がすぎ 宵あざみ
夢の高まりに あわせて
8月は夢花火 私の心は 夏模様
目が覚めて 夢のあと 長い影が夜にのびて
星屑の空へ 夢はつまり 思い出のあとさき<br>
夏がすぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
8月は夢花火 私の心は 夏模様

https://youtu.be/scQLu9tNcI4







冬の到来とともに

2017-06-16 03:53:23 | 今日を旅する
冬の到来とともに

 今, バースは冬の到来を告げる落ち葉の季節を迎え、アパートメントの中庭には落ち葉が敷き詰められています。




 私は、昨年、四年間の学生生活を終え、今はその時間をふりかえりながら、新しいウエブサイトとブログの製作を続けている所です。

 ウエブのホームページは、ほぼ形が整ってきたので、既に公開しています。プログはまだ創り始めたばかりで、公開までには、まだ少し時間がかかりそうです。ふたつとも、英語によるサイトを目指しているため、時間がかかっています。
 以前から日本語版の二つは持っていましたが、今回はよりグローバルなサイトにするため、英語版としました。

 ホームページは、写真のギャラリーが主体ですので、比較的簡単につくることができましたが、ブログはそもそも文章が主体のものですので、これから続けていくにも、日本語版よりも時間がかかりそうです。
 ホームページはシンプルに「達真館」と名付け、ブログはブログ達真館として、「徒然備忘録」と名付けています。
 それぞれのコンセプトは、サイトに詳しく説明してあります。

 「達真館」は以前のサイトと同じ名前です。古いサイトは、相当前から更新をしていませんでしたが、まだ存在しています。これからは新しいサイトを更新していく予定です。以前のサイトは、Windowsによるもので、また、更新も複雑でしたので、いちど更新しただけでした。当分そのサイトも残しておきますが、更新する予定はありません。
 ブログについては、以前の日本語ブログ「悠々留学絵日記」は続けていきます。そのブログのおすすめの記事は、英語版に載せていくことを考えています。

 二つの新しいサイトは、それぞれリンクをつけますので、いききができるようになっています。
また、日本語による説明を随所に設け、英語版を理解しやすいように工夫をしていくことを考えています。

http://tatsushinkan.com/





 4年前、この地に始めて来たときは、落ち葉の季節があることも知らなかったため、初めてその季節を迎えたときは、嬉しかったことを思い出します。
 日本のように燃えるような色の紅葉を見ることは出来ませんが、この落ち葉をみると日本を思い出し、少しこころが和みます。


 今、庭に敷き詰められた落ち葉と、その上に投影された自分の長い影を見ながら、この四年間のたくさんの記憶の断片を思い出しています。
 これからは、今度のプログのタイトルのように、つれづれなるままに、心に浮かんでは消えてゆく記憶の断片を、備忘録として綴っていきたいと思っています。

 最後になりましたが、私は学生ではなくなりましたが、妻がまだ、学生として勉強を続け、学校に通っていますので、私も、この一年は、まだ、パースに残り、写真家として活動していく予定です。といっても、積極的に仕事をしていく訳ではなく、話があれば活動する程度です。それでも、手作りの名刺などで、宣伝はしています。






 その成果として、日本レストランのウエブサイトで、私の写真が三枚使われました。
 そのオーナーのMさんは、とても良い人で、そのサイトが完成した折りには,私とそのウエブサイト制作会社のメンバーをレストランに招待してくれ、自慢の料理でもてなしてくれました。

 その際には、私が日本酒を好きだということで、銘酒「八海山」を用意してくれました。私も最初のフォトブック"After Dream Before”をプレゼントしました。その日はワインなども用意されており、話も弾み、私は飲み過ぎてしまいました。帰りは,私が懇意にしているウエブサイト制作会社の社長のHさんが我々皆を車で送ってくれました。

 翌朝、目が覚めると、やはり二日酔いでした。
 午後、落ち着いてから、メールをチェックすると朗報が届いていました。 一月程前に応募した、LensCulture の “the Magnum Photography Awards 2017”の作品が、編集者の目にとまり、そのサイトで特集してくれることになりました。それは、世界中から応募された作品の中から選抜された作品だけとのことでしたので, 大変嬉しく思いました。 また、Awardsの審査員による選考結果は、七月に出る予定とのことでした。その選考で入賞するかどうかは、まだわかりませんが、とりあえず嬉しい結果でした。


 早速、前日のお礼とともに、その朗報をMさんにメールで伝えました。
Mさんも、その作品が、昨日プレゼントしたフォトブックの中に納められた10枚の写真のシリーズだと伝えると、大変よろこんでくれました。
その10枚のシリーズ”Road  Traces”は,早速新しいウエブサイトに載せることにしました。

 バースは、いよいよ冬のシーズンにはいります。
 私は毎年この時期、六月の終わりから七月にかけて、家と車のケアのため、日本へ一時帰国しています。北半球の日本は、当然ですが、梅雨から暑い夏へと変わる時期で、最初は戸惑っていましたが、今は、この季節のチェンジにも慣れ、楽しむ余裕もでてきました。



 晴れたホリデーのオーストラリアデーの六月五日、近くの公園には、家族づれが集っていました。
 クイーンズガーデンと名付けられたその公園は、アパートメントからも近く、バスの通り道沿いにあり、よく知っているので、よく訪れます。
 結婚式シーズンには、式の会場としても使われるきれいな公園です。その名のとおり、英国ふうな庭園をそなえ、その中心には蓮の群生する池があり、鴨や黒鳥が住んでいます。その池の風情は、まさにモネの描いた睡蓮の池のようです。











 冬の訪れを感じさせるこの季節、池の水面はキャンバスのように、最後の秋の姿を描き出し、その中を鴨が美しい航跡を描いていました。
 その航跡の先にはなにがあるのだろうか、未来には何があるのだろうかと、私は心の中で、鴨たちに尋ねていました。
 そして、夕方、公園からの帰り道、芝生には、冬の長い影が落ちていました。